最終更新:2000/8/9

File No. 06 研究テーマ
萩尾作品におけるバレエ―作品中のオリジナルバレエを検証する―

『フラワー・フェスティバル』の中に出てくる
オリジナルバレエを検証する。

『フラワー・フェスティバル』の中に出てくるフラワーバレエスクールの生徒の公演演目「十二宮フェスティバル」は、演出家であるガブリエルの新作という設定である。だから基本的に萩尾さんのオリジナルバレエであり、いわば作中劇のようなもの。この公演を巡って話が進行するため、架空のバレエとはいえダンスシーンも多く、どんな作品であるのか、想像は膨らむばかり。この「十二宮フェスティバル」について、主に音楽の方から検証していきたい。

『フラワーフェスティバル』 プチフラワーコミックス/B6判/全2巻/小学館
  1巻初版1989.4.20
  2巻初版1989.7.20

CAPTER 1
「十二宮フェスティバル」の内容について、分かるセリフなどをまず抜き出してみる。

巻数
登場ページ
内容
1巻 P105 リュスが「ばらの精」の音楽に合わせて踊っている(トロア=3人の踊り)物語の進行でリュスとサンダー、みどりこれは3人のスピリットのダンスシーンであることが分かる
P178 「君らはタマコを中心に大地の女神ガイアとその子らになる タマコを見てて新たにわたしがつくったシーンだ 全員同時に32回転を行う」
P178 「長身のきみらは一幕の”ショパニアーナ”に参加 4名の欠員が出来たんだ」
P179 「それからスオウ 二幕のスペインのシーンでカルメンをやってもらう きみ用につくった新しいシーンだ」
P180 「(スピリットは)27場全部に出て27種の踊りを踊る」
P189 「スピリットたちは十二宮の神様を時間をこえて導く案内役だ 現代から過去へ過去から未来へ バレエの歴史をたどるんだ」
P190 「一幕が現代のモダンからニジンスキーの牧神の午後まで 二幕が19世紀にロマンティックバレエの花開かせたタリオーニまで 三幕が宮廷舞踊や民族舞踊原始まで行って一気に未来へ 3人のスピリットがそれらを十二宮神に見せて行く」
P193 「3人ここは同じ振りだよ 4拍子だよ」(工事現場か)
P194 「二つめがディスコ調ロック 早いけど2分の踊り 三つめがブルース」
P195 「タンゴ トゥシューズにかえて ここ”パリの炎”のソロ部分 マーラー ドヴォルザークミンクス シックにピアフのシャンソン 行進曲 ワーグナーにチャイコフスキー 感情出さないでカウントとって」

巻数
登場ページ
内容
2巻 P24 「二幕のこれが いつもリフトがへんで....」「チャイコフスキーか」
P32,33 「0K 一幕一場から!」「イントロはバッハか...」
P115 「レイチェル このシーンはカルメンが死ぬところだから スピリットは少し後で控えて...」
P129 「白鳥のアダージォだ」
P161 「きのうも練習したシェエラザードのとこだよ」
P174 「レイモンドは足をくじいたロブのかわりにドンキを踊ることになった」
P189 「5時間もの舞台なんて気力がもつかしらね」
P192 「蘇芳さんとレイチェルのカルメンは大かっさいだし 10人でラインダンスのようにやった四羽の白鳥の踊りも大うけ」「古典バレエの元祖ともいえるタリオーニ中心の2幕が終わると3幕はマズルカであけしだいに狂乱のカーニバルめいてくる 圧巻が玉子ちゃんのガイアで 大地の女神がストラヴィンスキーのダイナミックはリズムの中で次々に子供をうみおとすのだ」
P196 「平らな始原の大地の光の中に十二宮が集まる・・・」

 

CAPTER 2
以上からはっきりしていることをまとめる。

タイトル 「十二宮フェスティバル」
人員 フローラル・バレエ・スクール全生徒による
時間 全3幕27場 公演時間/5時間
内容 3人のスピリットたちが十二宮の神様を時間をこえて導く。現代から過去へ過去から未来へ バレエの歴史をたどっていく・・
一幕が現代のモダンからニジンスキーの牧神の午後まで 
二幕が19世紀にロマンティックバレエの花開かせたタリオーニまで 
三幕が宮廷舞踊や民族舞踊原始まで行って一気に未来へ 
振付演出 ガブリエル

使用される音楽
(三幕27場なので単純に計算して一幕は9場づつと推定する)
一幕 1 イントロ:バッハ(曲名不明)
2 “工事現場の音”(モダンでは生活ノイズ音を使ったモノもある)
3 ディスコ調ロック(曲名不明)
4 ブルース(曲名不明)
5 タンゴ(曲名不明)
6 「パリの炎」(作曲/ボリス・アサーフィエフ)
7 「ショパニアーナ」(作曲/ショパン・編曲/グラズノーフ)
8 「薔薇の精」(作曲/ウェーバー「舞踏への招待」編曲/ベルリオーズ)
9 「牧神の午後」(作曲/ドビュッシー)
二幕 - 「カルメン」(作曲/ビゼー)
- 「シェエラザード」(作曲/リームスキイ=コルサコーフ)
- 「ドン・キ・ホーテ」(作曲・ミンクス)
- 「白鳥の湖」より“4羽の白鳥の踊り”
“アダージォ”(作曲/チャイコフスキー)
※二幕は上記以外の曲名は不明。順不明。
三幕 1 マズルカ(曲名不明)
(宮廷舞踊)(民族舞踊)(原始)
ストラヴィンスキー(曲名不明:大地の女神ガイアのシーン)
9 エンディング(曲名不明:イメージのみ)

使用音楽について、さらに独断による推測で穴を埋めてみる。

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資料作成:天野章生/作成日:1999.10.14/最終更新:2000.8.9(一部誤りを訂正しました)

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