最終更新:2001/4/7

File No. 04 研究テーマ
萩尾作品におけるバレエ―萩尾「バレエ・パレット」を理解する試み―

VOL.1 『フラワー・フェスティバル』

- s t o r y -

バレリーナ志望の高校生、五所みどりはコンクールには落ちたが、
英国のバレエ学校教師ガブリエルに夏のキャンプに誘われた。
ガブリエルはみどりが秘かに慕っている義兄・薫が連れてきたのだが...。
思いもかけなかった抜擢を受けて努力するみどりと、
それを取り巻く複雑な人間関係が軽妙なタッチで描かれている。

物語は『十二宮フェスティバル』の役を巡り、
みどりの相手役の一人サンダーと絡んだトラブルと、
義兄・薫を中心にした人間関係の複雑さが入り交じりながら進んでいく。
いろんなことが収束し、感動的な舞台が仕上がっていく最後は爽快。


作中で使われるバレエ作品
作中に出てくる実際にあるバレエ作品名を抜き出してみる。

使われ方には、みどり達が
実際に踊る作中の演目としてというものと、
いつもバレエのことに結びつけて
みどりが考えるモノローグやセリフの中のものと2パターンある。

text: 『フラワーフェスティバル』

プチフラワーコミックス/B6判/全2巻/小学館
1巻初版1989.4.20
2巻初版1989.7.20

(『フラワーフェスティバル』は小学館文庫/全1巻/小学館/ 初版2000.7 でも読むことができます)

●バレエ作品はそれぞれ【図書の家/仮想書庫】のバレエ紹介のページにリンクしています。タイトルをクリックしてください。

バレエ作品名
登場ページ
内容
フラワー・フェスティバル 作品タイトル バレエ紹介なし→情報入手

★萩尾エッセイでとりあげられているバランシン作品に同名タイトルがあるが詳細不明。


★作品不明 1巻表紙絵 資料確認中→情報入手


真夏の夜の夢 1巻P9 みどりは憧れの兄、薫との結婚式を夢に見る。
「バックに流れるウエディング・マーチは
真夏の夜の夢
2巻P8〜9 「あ 去年マリン・バレエでやったね」


こんぺいとうの踊り 1巻P14 みどりの思い出
「るーちゃんの弾くピアノ 
こんぺいとうの踊り


青い鳥 1巻P14 みどりの思い出「るーちゃんの弾くピアノ」の一つ。


白鳥
「白鳥の湖」
1巻P14 みどりの思い出「るーちゃんの弾くピアノ」の一つ。
1巻P66 「なんかママとあたしって るーちゃんをめぐってのライバルみたいじゃーん
 ママがオディールであたしがオデットってとこがドラマね」


ジゼル 1巻P14 みどりの思い出「るーちゃんの弾くピアノ」の一つ。


眠れる森の美女 1巻P4〜5 タイトル画
 
1巻P14,23,29〜35 みどりがコンクールに選んだのは、三幕「オーロラの結婚」のオーロラ姫のバリエーション。そこで初めて会った蘇芳も同じ演目を選んでおり、音楽に合わせられず失敗したみどりに対して、蘇芳は完璧な踊りを見せる。
 
1巻P14 みどりがコンクールに選んだのは、三幕「オーロラの結婚」のオーロラ姫のバリエーション。


海賊 1巻P22 コンクールで友人のゆかりと、別のバレエ教室の玉子が踊る。


シンデレラ 1巻P52 英国行きを母に反対されるみどりは薫に手紙を出す。
「わたしはママのOKをもらおうと毎日お手伝い まるでお城のパーティに行きたい
シンデレラです」


ロミオと
ジュリエット
1巻P62 バレエに反対する母に対するみどりのモノローグ。
「まるで恋人がいながら無理な結婚を親に強制される
 ジュリエットみたい...」


★作品不明 1巻P83 資料確認中→情報求む


ばらの精 1巻P105 ガブリエルの新作の一部。リュスとサンダーが踊っているのを初めてみどりが見る場面。
 
2巻P3扉絵 「ばらの精」の衣装で踊っている絵。作中にはない。


タランテラ 1巻P122 キャンプの選考に落ちそうになったみどりが再試験に選ぶ踊り。→情報入手


★作品不明 1巻P163扉絵 資料確認中→情報入手


ショパニアーナ 1巻P178 ガブリエルの新作の一部。ゆかりが中の一人に選ばれて踊る。


カルメン 1巻P179 ガブリエルの新作の一部。蘇芳が選ばれて踊る。


牧神の午後 1巻P190 ガブリエルの新作「十二宮フェスティバル」はバレエの歴史を現代から過去へ、過去から未来へと辿る構成になっている。中で扱われる。


パ・ド・カトル 1巻P191 みどりが踊るスピリット役を本来配役されていた本校生一上手い生徒レイチェルが、パリのオペラ座ジュニア公演で踊るという。
バレエ学校のニコライ校長が、演出家ガブリエルを邪魔するためにプログラムを組んだ。


ドン・キホーテ 1巻P192 上述のジュニア公演でサンダーに話が来た演目。彼は「十二宮〜」での配役を重視し、断ったという。
 
2巻P173扉絵 みどりとサンダーの二人がパ・ド・ドゥを踊っている。作中にはない。


パリの炎 1巻P195 ガブリエルの新作に使われる一部。


くるみ割り人形 1巻P201〜202
2巻P4〜5
過去にやった公演のビデオでレイチェルが踊っているのをみどりが見る。


★作品不明 2巻表紙絵 みどりとサンダーが踊っている絵。
資料不足により特定出来ず。→情報入手


リーズの結婚 2巻P5〜6 過去にやった公演のビデオでレイチェルが踊っているのをみどりが見る。


★作品不明 2巻P43 みどりとリュスが踊っている絵。
資料不足により特定出来ず。→情報入手


火の鳥 2巻P111 薫と本当の兄妹なのか、それともやはり血はつながっていないのか、悩んでいたみどり。答えがはっきりして涙する。
「なんだか魔法がとけたみたいだ 
 悪い夢から救い出された”
火の鳥”のお姫様みたい......」


★作品不明 2巻P123扉絵 みどりとサンダーが踊ってる絵。
資料不足により特定出来ず。→情報入手


シェラザード 2巻P160 ガブリエルの新作の一部。踊り方でもめた為にレイチェルが今度はサンダーを降ろせと言いだし、配役を最終的に決めるためにみどりとサンダーがレイチェルとロブの組と競って踊る。


以上が「フラワー・フェスティバル」に出てくるバレエ作品である。


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資料作成:天野章生/作成日:1999/9/29 更新2001/4/7

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