HOME萩尾望都研究室少女漫画研究室展示室BBS中庭
サイト内検索 AND OR

 ポーとトーマとSFと…多くの代表作が燦然と輝く萩尾望都にも、こんなに愛らしい初期がありました。
 初期短篇ラブラブラーブ!! 図書の家から、とっておきの甘〜いギフトを皆様もどうぞご一緒に。
過去INDEX] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

作家INDEX] dataアイコンをクリックすると作品の詳細データがわかります。

 
作品紹介を担当するのは
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ


ルルとミミ
萩尾望都

[初出]1969年
『なかよし』夏休み増刊号
*書影は所収本



 初期の萩尾作品はとにかく女の子が元気でかわいい。本作はデビュー作らしく初々しく、手塚や水野の影響が感じられる作風です。熱烈フロルファン(11人いる!)であるわたし的には画面せましと動き回る女の子に反応してしまいます。後半、とにかく一頁の中にいる人の多いこと多いこと。デビュー作である「ルルとミミ」は作品集の1巻でしか見ることができないのです、オンデマンドで入手するしかない状況なんですって、残念。

ベルとマイクのお話
萩尾望都

[初出]1971年
『週刊少女コミック』3・4合併号
*書影は所収本




 『少女コミック』に移って初めての記念すべき「小学館デビュー作」。12才の恋のすれ違いが控えめに、しかし感情豊かに描かれて、そのまま児童文学全集に入っていたって不思議じゃない。そしてペンタッチから台詞回し、全てが“初めて”に満ちあふれててホントに可愛い! 「大泉サロン」時代の初期でもあるので竹宮センセも脇役で初登場。この後すぐに「雪の子」「塔のある家」「かわいそうなママ」「精霊狩り」「小夜の縫うゆかた」…と怒濤の発表となっていきます。


雪の子
萩尾望都

[初出]1971年
『別冊少女コミック』3月号
*書影は所収本



 大人になりたくない、美しい少年のまま死んでいきたい…という潔癖に思春期の私は一種憧れを感じた。今にして思えばちょっとイタイようなピュアではある。少年? 少女? 両性具有的、トランスジェンダー的でもあり、少年が少年に心惹かれるという部分も、ナルシスとエコーというギリシャ物語のネタもツボだった。なんでこれだけ萌え要素たっぷりなのか。現代の生き難い10代にだって押されるツボがきっとあるはず!

塔のある家
萩尾望都

[初出]1971年
『週刊少女コミック』12号
*書影は所収本




 妖精の存在が普通に認められてたような風土で大人になってゆく少女のお話はファンタジーというより現実感があって、やっぱり妖精っているんじゃ?と部屋の隅っこなど見てみたり。実家には古い本のある小部屋も、薔薇の庭もなかったけど。都会に出たマチルダが故郷に戻ってみると家は人手に渡ってた、でも買い主は好青年に成長したかつてのそばかすの幼馴染み。“塔のある家”が二人を再会させるくだりは、妖精達と一緒に「ああ!」とため息つくしかないスウィートな名場面ですよね!


花嫁をひろった男
萩尾望都

[初出]1971年
『週刊少女コミック』春の増刊号
*書影は所収本



 キュート&ドキドキなサスペンス・ラブコメディは徹頭徹尾テンポ良く、果てしなくかわいく、どこをとっても面白い! ビリー・ワイルダーやヒッチコック映画なんかのラブコメ大好きな私にとってツボど真ん中の上質さ、品の良さ。記念すべきオスカー初登場作品でもあります、思えばオスカーって“巻きこまれ体質”だよなーとしみじみ思ったり(笑)。クールぶってても情に厚い、毒を喰らわば皿まで! なオスカーが大好きだ!!

かわいそうなママ
萩尾望都

[初出]1971年
『別冊少女コミック』5月号
*書影は所収本




 可愛い男の子の抱えているとんでもない秘密が明かされていく時の緊迫感ときたら。幼いティムが淡々と語っていく内容に、もしかしてもしかして…と次第に疑念を抱く聞き手の男にすっかりシンクロして、部屋の空気が次第に冷え冷えと凍り付いていくのを心底感じた。今読み返してもその手法は鮮やかだ。ラブコメ全盛の少女マンガ誌でこの佳品が掲載されたことに改めて驚きと尊敬を感じながら、ティムはこの後どんな青年になったのかな、なんてことを遠く思ったりする。


ケネスおじさんとふたご
萩尾望都

[初出]1971年
『別冊少女コミック』9月号

*書影は所収本



 ボニーとミシェルの可愛い双子が巻き起こす騒動に大人達が振り回されるドタバタ喜劇、なんだけど、ほんのりシリアス風味もいい塩梅、その結末は大団円のハートウォーミング。読めば誰もが幸せな気持ちになれる、派手ではないが可愛くていい話だよね的な位置づけのこの短編、しかしこの、軽すぎず重すぎずなバランスの良さ、天賦の才ともいうべきテンポの良さには、改めて唸らされますよ、やっぱりさすがの萩尾望都!

毛糸玉にじゃれないで
萩尾望都

[初出]1972年
『週刊少女コミック』2号
*書影は所収本




 中3のむつきは受験目前。詰め込む知識に「こういうものはあたしのなんになるんだろう」とつぶやき悩む。同じ境遇の私は無理のない高校を選べた彼女がうらやましくて。自分にも星君が現れてくれ! と渾身に願ったけれど現実はキビしく、教科書に線を引きながらアレとかコレとか「3月ウサギ」とかを繰り返し読んでました。でも、そんなこんなのまるごとが実は全部栄養だった? 再読するたび、一瞬であの中学生の時に戻る。そんなタイムマシン作品のひとつです。


ごめんあそばせ!
萩尾望都

[初出]1972年
『週刊少女コミック』12号
*書影は所収本



 アメリカ(多分)のハイスクールの喧噪をバックに、バンドの奏でる音楽に乗せて、めまぐるしく歯切れ良く展開するやたら明るく楽しい長編コメディ。萩尾センセがアマチュア時代、別タイトルで漫画スクールに応募してたり、キーロックスってバンド名は当時所属してた漫研の名前だったり、しかも北海道芦別のささやななえ先生の実家で原稿描いていたりとか、ナニゲに萩研的重要作品なのです。でももちろん発表当時そんなこと知るわきゃない私は後腐れなさ過ぎのエマの性格カッコイ〜! と憧れたもんです。

ママレードちゃん
萩尾望都

[初出]1972年
『週刊少女コミック』23号
*書影は所収本




 直球ど真ん中に大好きな作品なのです。やせっぽちでそばかすだらけでがさつなママレード・ジョー。女の子なら誰でも持っている容姿コンプレックス。素敵でやさしいジェス。なんということはない恋する少女の話なのだけど、最後のファッションショーでのジェスの朗読、そしてジョーが恋に目覚める瞬間。胸の中に素敵なキラキラがいっぱいになるんだなぁ。


- 次回は5月に更新の予定です -


●書影はamazonアソシエイトプログラム、ビーケーワンアフィリエイトプログラム(A8.net)を参照、または、所蔵本を撮影しています。

◎掲載の文章、資料及び図像についての複写および転載はご遠慮ください。 ご意見・ご感想はBBS 図書の中庭まで[少女漫画ラボラトリー【図書の家】
(C)1999-2010 K-eyes/toshonoie All rights reserved.
special thanks: photo material by clarita[morgueFile]