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2008年12月24日更新 
〔12月24日まで毎日更新〕

 日ごと近づくクリスマスイヴをわくわくしながら待ち望む季節、アドベント。 これは図書の家からあなたに贈る
 アドベントカレンダーです。おすすめ少女漫画を、毎日ひとつずつ。さあ、来るイヴには何が待ってる?
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ポーの一族(萩尾望都パーフェクトセレクション版)
萩尾望都

[初出]1972年
『別冊少女コミック』3月号〜76年6月号
*萩尾望都パーフェクトセレクション全9巻は08年2月「半神」で完結。
*ポーの一族1巻 07/11/26発行
*ポーの一族2巻 07/12/26発行
 2008年の萩尾望都トピで忘れちゃならない“萩尾望都パーフェクトセレクション”完結。そして最重要は「ポーの一族」初の発表順収録!! 「ポー」はとにかく「小鳥の巣」までは発表順で読んでみるべし! 絵柄もコマ割りも物語の流れ方も、初期の硬質さが徐々に柔らかく、繊細かつ華麗に変化していく。この順だとより一層、物語に没頭できます。いやー、「メリーベル」の雑誌掲載版もミニミニでいいから付録に付けてくれたら……雑誌版ではタイトルロゴとかもほんと雰囲気あるんですよー。


イロメ
草間さかえ

[初出]2005年
『Dear+(ディアプラス)』10月号ほか

*08/8/15発行

 2008年は個人的にがばっとハマッたのはBLでは草間さかえ! の年だった。一筋縄ではいかない意地悪で屈折した登場人物の絡みやちょっと読みづらいような個性的な絵がいい。この短編連作集では同じ学校を舞台に先生と生徒、生徒同士、元教え子と先生などのパターンが描かれる。自分が教え子だった時代に恋した先生に言われたセリフを自分が同じ立場で言ってしまうなんて話はまっこと切ないが、どんでん返しにすかっと爽やか。


海街diary
吉田秋生

[初出]2006年
『月刊flowers』8月号〜

*2巻「真昼の月」 08/10/15発行
 家族って一番近くで一番違和感のある相手。素直になれない相手だったり、他人には見せられない自分を知っている、そしで誰より大切な人たち。かと思えばすれ違ったり、噛み合なかったりしても家族であると言うだけで傷ついて傷つけてしまう。他人だったら離れればそこで終わるのに、家族であると言うだけで心のどこかにわだかまりを持ち続けなければならない。家族の表裏がホントさらりと描かれてて、あー吉田は根っこは変わってないんだなぁと思いました。


エリノア
谷口ひとみ

[初出]1966年
『週刊少女フレンド』15号

さわらび本工房による復刻
08/12/10発売

復刊ドットコムblog

 42年前に17才の少女が描いた「エリノア」。作品の良さと、デビューであり遺作という辛い事実で伝説となっていた短篇。それがこの度復刻、そして予想以上の売れ行きらしい。ところで当時の『週フレ』って、松本零士と牧美也子の合作を始め、名犬もの「おはようエルザ」に細川知(智)栄子の「東京シンデレラ」、赤塚、石森、ちばてつやに楳図かずお、更にはデビュー2年目の里中満智子までと豪華絢爛! そんな中でも遜色なく、キラリと光った「エリノア」だったのです。



アルカサル-王城- 外伝
青池保子

[初出]2008年
『プリンセスGOLD』3+4月号特大号ほか

*08/12/16発売

 足かけ23年、昨年夏に完結巻が出た『アルカサル-王城-』。ドン・ペドロの生涯を見事描き切った事には惜しみない賞賛を贈るがしかし、ドンさんファンには哀しい最期であったことは否めない。そんな寂しさを、下関で行われた原画展まで埋めにいったこの夏も今や昔。外伝では生き生きと勇壮な王様のお姿復活です! 嬉しや!! あの修道士ファルコも絡んでの『地の果てへの道』は、あたかも青池キャラ祭りの趣。やっぱコレですよコレ!


オクターヴ
秋山はる

[初出]2008年
『月刊アフタヌーン』3月号〜

*1巻 08/8/22発行
 アイドルになったものの挫折したら現実にその後の人生、かなり生き難いんだろうなあ。雪乃ちゃんはそういう生き難さの中で挫けそうになりながらも都会で一人頑張ってる。同性愛って抵抗ある人には抵抗あるのかもしれないが、この作品はあくまでも自然体。柔らかくシンプルな線も読みやすく、岩井節子の潔くかっこいい両刀使いっぷりがまた良い。青年誌掲載だけどこれはちょっと斬新な作家が現れたな! と注目の逸品。お薦めです。


山猫天使
名香智子

[初出]2007年
『月刊flowers』10月号、11月号、08年2月号、『flowers増刊 凛花』08年3号、4号

*08/9/15発行
 美少年も女装ネタも大好き。しかもそこに素敵な殿方が横恋慕してくだされば大好物。何杯でもいけまっせ! 美少年は高飛車じゃなくっちゃね! ベタと言われようが定番は大事! わがままで高慢でだけど妹思い、果ては盗賊だったりしちゃうんです。押すと引くけど逃げると追ってくる、、、名香センセったら、わかっていらっしゃる!! モラルとはちょっとずれたところにいるのが本物の美少年なんですよー。豪華絢爛な衣装とともに、続編もたのしみ。


Under the Rose
船戸明里

[初出]2002年
『ミステリー ビィストリート』12月号〜、『スピカ』、『Webスピカ』連載中

*5巻 08/3/24発売
*文庫『冬の物語』 08/6/25発行

 英国ヴィクトリア時代、貴族の館にメイド多数、説得力を装備した絵の美しさ、しかし、暗い…暗いよ家庭の不幸が! でもこの作者、決め絵が本当に素敵。ちなみに今年、第一章「冬の物語」をまとめた文庫が出たのですが、ほらほら←これ。イイでしょう? ちなみに物語冒頭で謎の微笑みをたたえたドレス美人を俯瞰からとらえた見開きも凄いんだから。ミステリー仕立てでノンストップで読める面白さ。第二章「春の賛歌」5巻まで出てます。


姫の恋わずらい
波津彬子

[初出]2008年
『月刊flowers』1月号 ほか

*08/7/01発行
 作者曰く“外国モノでちょっと現代で19世紀末の東洋趣味も入ってちょっとファンタジーで猫を出す”お話を集めた短編集。幸せなラブストーリーはやっぱり幸せな気分にさせてくれる。美青年が主役のお話もいいけど、若くて美しくて育ちが良くておっとりしてて世間知らずで周囲の人たちから無条件に愛されてる、そんな娘さんが主役のお話も好き♪ このカバーイラストなんか思いっきり甘いピンクで嬉しくなっちゃう。ただしお嬢さまったら、頭にカエル乗っけてますけどね。


Real Clothes
槇村さとる

[初出]2006年
『YOU』No.23〜

*4巻 08/5/24発行
*5巻 08/9/08発行

 最初の仕事がアパレル業界だったもので、接客シーンに懐かしさを覚える私。美姫様や優作様のようなカリスマたちには縁がなかったけど(笑)。スゴイ人達に見出され、個性的で有能な周囲に叱咤されては健気に立ち直ってついていく。いつも一生懸命でひたむきな主人公が、どんどん一皮向けては成長していく。いつものパターンといえばパターンなのかもしれないけれど、やっぱ成長ストーリーって面白いんだよね!


「岸辺の唄」シリーズ
今市子

[初出]2000年
『コミックアイズ』号数不明〜
*『幻想ファンタジーVol.11 朱雀抄』(「枯れない花」収録)08/4/25発行
*『幻想ファンタジーVol.12 玄武抄』(「錆の泉」収録)08/10/24発行
 ファンタジーってなかなか難しい。読みながら世界観に違和感を覚えると途端に醒めちゃう。水乞いの儀式と鬼人をめぐる砂漠の物語。司書よりどかーんと借りまして、オリエンタルな雰囲気と、読者を惑わすようなシリーズ連作にすっかり虜になってしまいました。「この人はなに?」「あれ、前に出て来た人と同じ人?」「あ!」てな感じでどんどん世界に入り込んでいっちゃう。先ず物語りありきで、読み進めることで世界観とキャラクターがついてくる。再読した時に全部がすっと頭の中に落ちてくるという、実に今市子らしいシリーズです。


歌 中原中也作「散歩生活」その他より
松田奈緒子

[初出]1999年
『コミックトム プラス』9月号

*08/2/10発行
 シリアスとバンカラな笑いの絶妙なバランス、そこに漂う少々レトロな日本文学の香り…松田奈緒子の眼光冷徹なイケメンお兄さんのルーツがここに。生誕100年の中原中也、無名時代の夏の日を描いた「歌」。「レタスバーガープリーズ.OK,OK!」後半の太宰のようなお兄さんも素敵でしたが、このキュートな中也もいいね〜。初期と思えぬ粋な出来映えの短篇5作を集めたこの一冊を、話題の『少女漫画』(集英社)とともにぜひ。


亀の鳴く声
西炯子

[初出]2007年
『月刊flowers』12月号〜2008年5月号

*08/7/01発行
 黙ってりゃお人形のような美少女くれは。家族もバラバラでナニゲに人生にヤケっぱちになってたところで、市役所市民生活課職員・中川の描いた大感動少女まんが(読みたい!!)に出会う。ホテルの同じ部屋で寝起きしてる美少女に手も出さない中川にじれる勝ち気なくれはと、何か言いたいのに言葉の見つからない気の弱い中川の、ああ、なんて時代に逆行した少女漫画なラブ進行♪二人の周囲の人々にも同時多発的に人生の転機が訪れてるんだけどお互いそれを知らないのがいい。コミックス1巻で完結してるのも読みやすい。


チェーザレ 破壊の創造者
惣領冬美

[初出]2005年
『モーニング』17号〜

*5巻 08/7/23発行
*6巻 08/11/21発行

 書店でも平積みでかなりな話題作と知りつつ、内容が重たそうだったので買ったまま読むのを延ばしていたが、読み始めたらあまりの面白さに一気! その昔、塩野七生の歴史物にハマってたこともあるから当時読んだ歴史的背景の記憶もうっすら蘇る。惣領冬実って少女マンガ時代はあんまり興味持ったことなかった、ごめんなさい。まったく凄いこの画力、この構成力、この情熱! 一気に読めたのは楽しかったけど次が出るまで待ち長い。


不思議の国の千一夜〜ヘンデク★アトラタン物語〜
曽祢まさこ

[初出]1980年
『なかよしデラックス』1月号〜85年2月号
*1、2巻 08/8/12発行
*3巻 08/9/12発行
*4巻 08/10/10発行
 まってました! 文庫で復刊。王子として育てられた女の子…といえばリボンの騎士のサファイア姫の様な乙女を想像するのですが、こちらは全く乙女度マイナス! 女の子のはずなのにそんじゅそこいらの男どもよりも男らしく神馬ヘンデクアトラタンと共に難関を乗り越えて、はては、お姫様とのラブロマンス、結婚、子づくり(!)とどこまでも突っ込みたくなる展開! バカバカしくも微笑ましい冒険を毎回楽しみにしておりました。読み直してみると結構際どいネタ満載なのに、全然色っぽくないのよねーふはw


パーム
獣木野生

[初出]1983年
『月刊ウィングス』4月号〜

*31巻 蜘蛛の紋様II 08/6/10発行

 全10話中、9話目となる『蜘蛛の紋様』が開始、既に佳境の『パーム』シリーズ。かれこれ小出しだった主人公達の生い立ちが丹念に語られるこの章、既知の物語が今まで秘されたエピソードによって完全補完されていく様は、長くこの作品に触れてきたファンには涙もの。しかし! 完結までラスト一話、今なら、今ならまだ間に合う、未読の方はお願いだから読んでください。この傑作が世間にスポイルされまくっているのはもう見るに堪えんのです…!!


本屋の森のあかり
磯谷友紀

[初出]2006年
『One more kiss』9月号〜、07年『kiss』No.1〜
*2巻 08/1/11発行
*3巻 08/5/13発行
*4巻 08/12/12発売予定

 天井までの本棚に本棚梯子。本棚がらみの話なら面白いに決まってる! と3巻ジャケ買いで大正解。大型書店の裏話満載も楽しいですが、26才のあかりが35才の本オタク=メガネ男子副店長についに告白、その職場恋愛の行方が気になる気になる。本の帯はなんだか「メガネ男子」のたたき売りみたいですが、本来のカバー絵はとってもロマンチック。こっちがホントの姿だよね。語り口の初々しさに思わず作者がんばれと言いたくなる、4巻が12日に発売です。


テレプシコーラ 第二部
山岸凉子

[初出]2007年
『ダ・ヴィンチ』12月号〜

*08/7/26発行
 16歳になった六花ちゃんの凛々しい美しさにまずは心打たれた。哀しみを乗り越えて成長したのね、と感慨にふける間もなく早速トラブル発生! 無事ローザンヌコンクールに出場できるの? なんてところで心配が終わるわけない。コンクールで六花ちゃんはどんなバレエを踊るのか、どんなライバルがいてどんな競争が起こり、どんな評価を得てどんな結果になるのか、新たな事件も起きるに違いない。次々と湧き起こる懸念が解消されるのはいつの日か。読者の試練も再スタートです。


坂道のアポロン
小玉ユキ

[初出]2007年
『月刊flowers』11月号〜

*2巻 08/10/15発行
*書影は07年発行の1巻

 一昔前なら脇役的存在だったのじゃないか、このメガネ君。ちょっと嫌味なとこもある優等生男子がまったくタイプの違うおおらかで乱暴者の男子と音楽を通して友情を深めていく。美人じゃないけど好感のもてる律子を挟んでの三角関係かと思いきや、恋の様相はどんどん一方通行が複雑化。目新しい設定でもない、ごく自然で気負いもない。なのにまったく新しいキラキラした透明なグラスを通して見る世界のように物語が展開していく。滋味の多い新鮮な果物みたいな逸品です。


ふるふる
木原敏江

[初出]2006年
『Beth』vol.1〜07年vol.2 、vol.4〜vol.6

*08/2/19発行
 まるで正反対の活流と日古。二人の距離がさりげなく近づいて信頼し合う仲へと変化していく。あとがきで先生述べておられますが、悪ガキ摩利と天然新吾ふうな二人のやりとりが嬉しくなってしまいます。おぼろ式部と活流のやり取りもたのしく、もっともっと読みたくなる三人なので年に一回の読み切りでいいから描いて欲しいなぁ。五方行者を交えてコレからますますオモシロくなりそうなのに−−


駅から5分
くらもちふさこ

[初出]2005年
『月刊コーラス』8月号〜

*2巻 08/9/24発行

 駅から5分の、花染町。平凡な町に住む平凡な人たちの平凡な日々に起きる、それぞれの波瀾万丈、小さな奇跡。くらもちふさこの凄さは、毎度こんなにも手の込んだ、斬新かつ刺激的な手法でもって描くものが、驚くほどシンプルな王道の “ボーイ・ミーツ・ガール” だったりするところ。デビュー作から今に至るまで、「少女漫画だもん、コレしかないっしょ!」ってな揺るぎなさこそが頼もしく素晴らしい! 一生ついていきます!!


ちはやふる
末次由紀

[初出]2008年
『BE・LOVE』2号〜
*1巻 08/5/13発行
*2巻 08/9/12発行
*3巻 08/12/13発売予定

 小6の千早(ちはや)が、転校生の少年の「かるた」への情熱に刺激され、競技かるたを通じて成長する…、まさに少女版「ヒカルの碁」。高画質高密度ながらも猛スピードで展開する物語は、一話ごとに見せ場あり、ココロを揺さぶる台詞あり。わたくし人生初めて年齢層高め向けの『BE・LOVE』毎号買ってます。そして、白波かるた会の原田先生! かるた愛と啓蒙精神にあふれたメガネの初老男性に、涙々の感情移入しっぱなしです!


あぶな坂HOTEL
萩尾望都

[初出]2006年
『YOU』2号、17号、07年9号、23号

*08/3/24発行
 泊まってみたいホテルがある。レトロな洋館でもてなしが厚く食事の美味しい……。あぶな坂を越えたところに建ってるホテル、でもどうやらここでゆっくり過ごすのは無理らしい。たいていはホテルに気づかずにあの世に行っちゃうみたいだし。三途の川がこんなホテルだったらいいのになぁと萩尾センセも考えたのか? 女主人の由良さんが『あぶな坂』を歌う中島みゆきさんに似てる。由良さんや支配人・甘糟さんの過去も知りたい! 続編を期待です。


作品紹介を担当するのは
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ
 

●書影はamazonアソシエイトプログラム、ビーケーワンアフィリエイトプログラム(A8.net)を参照、または、所蔵本を撮影しています。

 
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