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 図書の家恒例、マンガ研究者のヤマダトモコ氏を迎えて、この一年の漫画を振り返っての大座談会SP!
 女6人、あれもこれもと到底語りつくせぬ漫画談義。どうぞ皆々様も輪に加わっているつもりになって、ご一読くだされば幸いです!
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〔次回は2008年春予定〕

座談会参加者 special guest:
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ ヤマダトモコ(マンガ研究者)


■去年のお薦め作品の今年は……?

:さて「2007年の漫画」座談会は、今年もゲストにマンガ研究者のヤマダトモコさんをお迎えしてます。まずは“去年取り上げた作品が今年どうなったかな〜?”ということから。
「DMC」(デトロイト・メタル・シティ)って今、4巻まで出てますか?
:うん、4巻出た。私も見た。
:あ、出たばっか? そうなんだ、読まねば。
:読まねば……って卯月さんが!? 「DMC」を????? いかにも好きそーじゃないのでは……。
:え、読んだよ? 2巻までは読んだよ。友達が「なんか息子が面白い漫画ないかって言ってるんだけど」っていうんで「DMC」教えたら「すごい面白かった」というので、それから買って読んだんですよ。
:ええーあれ読ましたの?! “エアレイプ”とかをー?!
:ははははははははは(笑)
:面白かったよ(笑)「DMC」は西川君(註1)やバンドメンバーも読んでるし。
:映画化が決まったしねー、松山ケンイチが根岸役、楽しみすぎる!
:去年名前があがった漫画では「おお振り」「へうげもの」を読んで、楽しみに続き読んでます〜。これは座談会のおかげ。
「へうげもの」「ヒストリエ」はまあ現状維持って感じでしたかね。
「ヒストリエ」も待ち長いながらも、ちゃんと新刊面白いよね。このマンガがすごい!2008で夏目さんが1位にしてた。
「ヒストリエ」1巻からまた読み返さないと、だったし。
「おお振り」も、去年の座談会で話題にしたところがまだ単行本になってないけど!!!(笑)。順調に単行本は出てるけど、ちっとも連載に追いつく気配がない……。1年以上タイムラグあるんですけどー。
:あまり新刊進んでないんだ? 人に借りて読んでるので、単に貸してもらってないだけかと思ってた。
:続き楽しみにしてるのに。間が空くと前の部分を忘れますね(笑)
:けっこう間あくの多いんだねぇ……。
:たまった頃に一気に読む方が理解できそうですね。
:私の今の懸案は、そういう単行本化の遅い連載をいろいろ抱えた『月刊アフタヌーン』をもう捨てるか否かだ……なんかベッドができるくらいあるんだけどー。
:ベッドができるくらい(笑)
:ははははははは(笑)
:ベッドにすれば?
:本しけっちゃうじゃん……。
:あー。
「おお振り」は今年アニメ化されてそっちは無事終わったし、そういう意味ではひと区切りかなあ。
:まあなんか、去年の作品・作家ともに、みんな特に大きな激動もなく安定感を持って今年も続いた、っていう感じですよね。
:同感。
吉田秋生の「海街diary」もいい感じで続いてるし、山岸凉子の「テレプシコーラ」はめでたく第二部再開だし!!


:座談会のおかげといえば、私はオノ・ナツメはひととおり主要作は読んだよ。
オノ・ナツメは絶好調ですね。「さらい屋五葉」もいい感じで続いていますしー。
:私ね、実は「さらい屋」の味が最初ようわからんかったんですけど、慣れたら良くなったです(笑)。コレなんか妖しいコメントだな〜。
:あはは! 私はあのへたれな主人公に一発で参りましたが(笑)。可愛いじゃないですか。
:あのひとが好きなんだ?(笑)へえ〜。それはなんだかわかるかもしれん。
:うん、オノ・ナツメの絵で、時代劇がいけるとは私も最初は思わなかったけど、でもすごくいいと思った!
:絵がスゴい個性ですよね。
:私、去年も同じこと言ってたかもですが、あの絵で読みやすいっていうのが貴重だと思う。
:私はオノ・ナツメは今年は読んでないわー。
:なんか「さらい屋」は、屋敷が雰囲気あるんだよね、闇が描けてる感じがします。
:それ読んでみようかな!“イタリア”よりも“屋敷”のほうが興味ある!
:友人が「オノ・ナツメのイタリアは自分のイメージするイタリアじゃないけど、あの人ならではのイタリアなんだろう」的なことブログに書いていて。友人は映画好きなのでイタリア舞台の映画などから抱いていたイメージとは違うという意味合いでしたが。まあ、個性強いから合わない人がいてもおかしくないよね。
:イタリアといえばサッカーな岸田さん的にはそのあたりどうなん?
:特に違和感はおぼえないですけどもー。ただ、オノ・ナツメのイタリアは基本的に上流階級って感じはする(笑)。あ、ヤマダさん、イタリア人はああみえて几帳面な一面もあるらしーですよ!
:ほお。
:そうだねえ、上流階級なんだ。そうか、ベルサーチとか、陽気で几帳面かも?
:私はあまり海外に対して自分の中で特別なイメージがないし、映画も詳しくないので、オノナツメの世界〜と自然に入っちゃったな。
:私も別に、なんかそれほどココが気になるっていうのないなあ。「ダンツァ」って『モーニング2』で連載してる作品、あれは舞台どこですかね?
:あれもイタリアじゃないかな、たぶん……。
:単行本、年末に出ますね。確認します(笑)。雑誌で第2話だけ読んだんですけど、とても寒い、冷たい季節を感じる作品だったんですよ〜。まとめて読むのが楽しみです。

:そういえば私は「ヒストリエ」が読めない寂しさを「チェーザレ」で補っています。
「チェーザレ」いいですよねえ!!
:いいですね。
:読んでないけど「チェーザレ」というからにはそれもイタリアもの?
:そうそうそうです! まさにイタリア!
:チェーザレ・ボルジアの……惣領冬実ってこういうの描く人だったんだね!! という感じで絶好調ですよ!
:良さそうだよね。買おうかなーって思って買ってないんだけど、重いですか? もともとの話がしんどそうじゃないですか。
:重くはないと思いますが、これから重くなるかも。でも、とにかくチェーザレがかっこよく描けてるんです。魅力的ですよ。
:ほう。
:をー、かっこよいんですねーー。
:そう、かっこいいの。そんで青年マンガらしく、時代考証とかはしっかりしてるの。建築物がすごいちゃんと描かれてて、いいよ。
『モーニング』でとびとびに見ていて、まとめてネットでとか思いつつずっと買わず(笑)。でも連載で、妹が出てくるとこでやられましたね、全貌わからずともこれはすごく面白いのではないかと!! その前にヤマダさんが誉めてたのを知ってたから、すぐ一気に買っちゃったですよ!
:そう、妹の登場とかもドキドキしたね。
:私も今度チェックします!
:やっぱ買いなのですね〜装丁もいいしね。あの辺は友人が歴史で専門にしてたんだよなあ。
:私は建築を専門にしてた人に薦められましたよ。
:ををーー。
:私、惣領冬実は絵が好きだなと思って、ずいぶん前にコミックスを新刊で追いかけてた時期もあり。でも実は、通読したことがない(笑)。しかし「チェーザレ」はいいよ! 
:惣領冬実、昔のは好きでしたよ。別に嫌いになった覚えもないけど今は読んでいないな(笑)。
:(笑)
:ご本人も会心作のようですね。こんなに漫画を面白いと思って描いたことなかった、というようなことも言われてましたね。
:まぁ!!
:相当研究して描いてるんでしょうね。すばらしい。
:そういう作品ってやっぱりなんかオーラ出るんじゃないですかねー。「のだめ」の二ノ宮さんも、あの作品で漫画を描くことに開眼したみたいな感じのことおっしゃってたしねー。



デトロイト・メタル・シティ 4 (4) (ジェッツコミックス)
デトロイト・メタル・シティ 4巻
若杉公徳
●11月発売


(註1) 西川君
は西川貴教ファン。

おおきく振りかぶって Vol.9 (9) (アフタヌーンKC)
おおきく振りかぶって 9巻
樋口アサ
●12月21日発売

へうげもの 5服 (5) (モーニングKC)
へうげもの 5巻
山田芳裕
●8月発売

ヒストリエ 4 (4) (アフタヌーンKC)
ヒストリエ 4巻
岩明均
●7月発売
●発売中の『アフタヌーン』2月号で第1部連載終了。ラストは凄い迫力なので、できれば雑誌のサイズで見るよろし。(一部仕上げ未完状態ですがそれもまた、味)

月刊 アフタヌーン 2008年 02月号 [雑誌]
月刊アフタヌーン
2008年2月号
●12月25日発売

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
吉田秋生
●4月発売。『フラワーズ』で不定期連載中。

ヴィリ (MFコミックス)
ヴィリ
山岸凉子
●10月発売。『ダ・ヴィンチ』で「ヴィリ」の集中連載を終えた後、「舞姫 テレプシコーラ」第二部を連載中。

 

さらい屋五葉 3 (3) (IKKI COMICS)
さらい屋五葉 3巻
オノ・ナツメ
●8月発売


Danza (モーニングKC)
Danza(ダンツァ)

オノ・ナツメ
●12月21日発売


チェーザレ 3―破壊の創造者 (3) (KCデラックス)
チェーザレ―破壊の創造者 3巻
●4月発売
チェーザレ 4―破壊の創造者 (4) (KCデラックス)
チェーザレ―破壊の創造者 4巻
惣領冬実
●11月発売

 

のだめカンタービレ (19) (講談社コミックスKiss (673巻))
のだめカンタービレ 19巻
二ノ宮知子
●11月発売




■ベテラン大活躍!

:ベテランが頑張ってていいですよね。そういえば今日書店に行ったら、「王家の紋章」の表紙と「悪魔(デイモス)の花嫁」の表紙が雑誌で並んでいて。買ってないけど表紙見て、すごいなーと(笑)。だって私が子供の頃から描かれてる話だよ〜二つとも。
:私も見ました! もう雑誌っていっぱい出過ぎ。デイモスは新作?
:「新作」って表紙に書いてあったよ。
:新作なんだ!!すげー読みてー!!!買おう。
:え? デイモスの新作だって?
:新作なら私も読みたい(笑)。でもここだけ買っても……。
:デイモスは基本設定さえしっていればだいじょーぶ!!(笑)
:ああ、あれって一話完結だったっけ? じゃあこれだけ読もうかな。けっこう暗くていいんだよねえ。昔、借りて読んでたんだけど、好きでしたね〜当時。
:私もかなり好きでした。いいすよねー、暗いけど陰鬱ってよりは退廃的な感じで。セリフとか、かなり暗記してんじゃないか? 私。
:また美奈子のせいで不幸になる人が登場するのかな。美奈子が外に出なければ、だれも怖いことにならないのに。そう、いつも思っていました。……私も昔、夢中でしたよ! デイモスがかっこいいです。って、さっきからかっこいいって話ばっかしてる。
:うん(笑)。かっこいいは大事! 基本ですよ!(笑)
:かっこいい最重要。しかし、ヴィーナスが大人しく腐ればいいんですよ!!
:岸田さんひどい(笑)。黙ってるけど、城野さんはどう? デイモスに萌えた記憶は……?
:あ、『ボニータ』調べてた(笑)ネットで。デイモスは眠れないので読みませぬ〜。カッコいいけど怖いという、見たいけど見れないみたいな(笑)
:この『ミステリーボニータ』? 今、こんな絵なの!? この表紙〜すごいきれい〜!
:そう、すっごく目立ってました、この『ボニータ』の表紙。
:あ、ほんとだ〜デイモスだ〜(やに下がる)。この表紙は最近の絵ですね。付録の特選集の方は昔の絵ですが。
:表紙は書き下ろしなのかなぁ。酷薄そうなお顔がたまりませんなぁ。
:デイモスって、中身はそんな酷薄じゃないと思うー。むしろ人情厚い…とまではいわんけど、わりかしウェットなひとなんです。しかし、特選集に入ってる話はぜんぶはっきりそらでセリフ言えそうだなー……そんな自分どうなのかとも思うがっ!(T-T)


:なんか妙に「悪魔の花嫁」で盛り上がってしまったな……(笑) 他の作品行きましょ?
:今年は全く新規開拓しなかった、漫画読み的引きこもり状態です;;
:それは、きっと忘れているだけですよ。
「フルーツバスケット」が終わった、とか。
:フルバってまだやってたの!? アレ何年くらいやってたんだ? 終わりどうでした?
:気持ちよく幸せでした(笑)。読者がほっとするような大団円。
:それはいいラスト。
:幸せだったんだ。幸せでよかった。
:私が今年新しく読んだ作家は五十嵐大介です。「海獣の子供」「魔女」。評判どおり面白かった! 他には江平洋巳(えびらひろみ)は[あの漫画を今日は読もう]にも取り上げたけど「白いバラの乙女」が面白かったな〜。そうそう! 岩館真理子の新刊「見上げてごらん」、良かった! あれ、単行本になるの待ってたー! やっとまとめて読めた。
:岩館よかったねえ!! いやあ、岩館真理子はほんとに近年ますますぶっとんでていいよねえ! 前作のよりも、普通に(?)すれ違いなラブストーリーなんだけど(笑) でも味わいが卓抜で普通じゃないんだよねぜんぜん! この微妙で絶妙な可笑しさが近年の岩館真理子だよねー。自分が日本人で良かったと思う1作。最高です!
:あ、あのコミックスの表紙は来年の「少女マンガパワー!」展に原画が展示されますよ!
:ほへえ。
くらもちふさこの新作もいいんでしょー? まだ私どっちも買えてないんですが(笑)
:くらもちさん、よかった。
「駅から5分」の連作はホントにどれもいいねえ! 私は1作目ラストで落涙しちゃいましたよ……。なんて10代って瑞々しい、そして、なぜ今でもこれが描けるのか、くらもち先生!!
:ああ(T-T)全然読めてない、いろいろ出てるのね(T-T)
:くらもちさんのも、展覧会用にカラー原画をこれから預かりに行くの!! わーい!!(註3)
:おお、素晴らしい! しかし、なんかもうベテランの人たちがこんだけ現役でいい作品をバシバシ出されるってのがいいですよねーー。「舞姫」第二部も順調ですし、槇村さんもがんばってますよね。それから、私は岩岡ヒサエさんとか『万福児』の下吉田さんとか、「暴れん坊本屋さん」も今年になって読んだけど面白かったです。
:岩岡さんはなんであんなに描けるのかと思うくらい、世界が描けるひとですねえ。だのに量も描ける(笑)
:その人読んだことないです、っていうか、すみません、見たこともないかも。
『Beth』「オトノハコ」を連載してる人だよ。っていうか、『Beth』廃刊(註2)だし!!(TT)(『Beth』廃刊について皆でざわざわ)
:ファンタジーです。とても質感がよいです。
:岩岡さんは、かわいいいい絵の人ですよね! 寡作でもおかしくない作風なのに、たしかに次々出ている。
:岩岡さんって背景もぜんぶ一人で描いてるのかなあ? 緻密だし、目線が自在で俯瞰からも平気で描けたりしてる。だから創り上げてる世界の雰囲気がすごくよくわかるんだけど。筆が速いのかな〜。「土星マンション」とか近未来設定なんだけど、その建物の構造がわかるっていうか……そんな地味な部分の描きこみがすごいのにキャラクターの見た目がかわいいところで全体感が超キュート。私もすごい好き〜(笑)


:BLでは鈴木ツタトジヅキハジメとか草間さかえとか。雁須磨子のBLじゃないのも集めて読んでみてこの人は何描いても面白いと思ったり。あとは藤本由香里さんがコラムでお薦めされていた 菅野文の「オトメン」も面白かったー。今更ながら緑川ゆき「夏目友人帳」も今年になって読んだけども、これも評判通り良かったです。他にも買ったまま読めてない本もけっこうあるですが。
:あたしゃ新しく読んだ中で特筆なのは「ひまわりっ 〜健一レジェンド〜」!!かな(笑)。前に誉めてましたよねヤマダさん。
「ひまわりっ」。健一がさ! 大爆笑ですよ。
:まとめて読んだらホントに悶絶しそうになる。うちの近所の本屋は、青年誌掲載なのにこの東村アキコ作品は少女漫画のとこに棚ざししてくれてて見つけやすくて大感謝。「ひまわりっ」って“いつもココロに少女漫画”をお笑いで展開して、連載で毎回腹がよじれる希有な作品、でも軸は一応ラブストーリーというのもなんだか少女漫画っぽくて。ホントにこの健一お父さんと主人公、そして健一2号やその他面々のやりとりが面白いです。同じく『モーニング』掲載では終了した「はるか17」「イカロスの山」も自発的に新刊購入して読むほど楽しめた。いや、『モーニング』ホントに面白いです!(笑) これでこそ雑誌! そうだ。あと、牧美也子の大人漫画の復刻。「星座の女」よるひるぷろ刊行の全3巻が完結。作品もさることながら、造本が丁寧で、編集も良く、全てにキリリと美しくてよかった!!
:牧先生が「パワー!」展のインタビューで、すごく嬉しかったって言ってらっしゃいました、その復刻。
:ホントに嬉しい復刻本でしたよ。やっぱり女性漫画を出すならこうでなくちゃなーという見本のような。少しずつでも末永く売れてほしいな。


:ワタシ的には今年は、新規開拓はほとんどなかったように思います、漫画は。「アルカサル」終わったのと、「レッド」と、「毎日かあさん」が印象残ったかなーという。あと、「トロイメライ」。あとはアニメの「ひぐらしのなく頃に」ですね(笑)。漫画じゃないけどー。
「レッド」……? 連合赤軍の。ああ! 買いもらし読みもらしだ!
「レッド」山本直樹でしょ? 面白そうだなって思ったんだよーやっぱ面白い?
:面白いっすよ。山本直樹が好きなひとなら普通にいいと思うと思う。
「ひぐらし」、こわいよ〜(笑)。うちの家族がみててさ……。
:いや、今はもうこわくない。最初はこわいけど。
:残酷な印象が優先してると手を出しにくいね〜。
:んー、知らないの連発……(笑)
「アルカサル」は、終わりにしたのは偉いと思う、本気で。心底リスペクト!!
:やっぱねえ、大家をひとまとめにして何ですけど、青池、木原ラインは作品に対する意識が力強いよねえ。
:ちゃんと完結させるのは作家として偉いよね。「アルカサル」……ごめん、青池本はけっこう持ってるんだけどこれは未読なのだ。
:それから、「毎日かあさん」って、みんな読んでないのか……?
:私は途中まで。
:読んでないっすー。
:ごめん、読んでない。
:今年のは「出戻り編」で、まあこれまでの全部よいですけどー。
:受賞作だっけ?(★2004年に文化庁メディア芸術賞、2005年に手塚治虫文化賞・短編マンガ部門受賞)
:あれは読むべき!! 読まなきゃだめ!!!
:毎日新聞でずっと読んでるけど、本では読んでないなあ。そこまで言うなら今度買うよ(笑)。書き下ろしあるってことだし。
:そういえば、なんか今日、伊藤理佐「女いっぴき猫ふたり」を読んでいたら、「不幸は金になる」と“彼女”に言われたという絵が…。そんで“彼女”はシルエットだったけど、あきらかにサイバラさん(笑)
:あはは(笑)。西原らしーな。
:そういえば、伊藤理佐と吉田戦車の結婚には驚いた。(しばらくこの話題で持ちきり)



月刊 プリンセス 2008年 01月号 [雑誌]
月刊プリンセス
2008年1月号

●12月6日発売。「王家の紋章」の表紙。

ミステリーボニータ 2008年 01月号 [雑誌]
ミステリーボニータ 2008年1月号
●12月6日発売。デイモスの表紙。「悪魔の花嫁」新作は読み切りではなく、「連載」開始です!

 

フルーツバスケット 23 (23) (花とゆめCOMICS)
フルーツバスケット 23巻
高屋奈月
●3月発売

海獣の子供 1 (1) (IKKI COMICS)
海獣の子供 2巻
五十嵐大介
●7月発売


白いバラの乙女
江平 洋巳

●5月発売

見上げてごらん (クイーンズコミックス)
見上げてごらん
岩館真理子
●11月発売

駅から5分 1 (1) (クイーンズコミックス)
駅から5分 1巻
くらもちふさこ
●11月発売

(註3) くらもちさんの原画を預かりに
もう行ってきました。お借りできたのは「おしゃべり階段」でした!わーい!!


花ボーロ

岩岡 ヒサエ
●2005年11月発売。短編集。高校合唱部が舞台の『Beth』連載「オトノハコ」の元になった一話も所収。


土星マンション 2巻

岩岡 ヒサエ
●6月発売

(註2) 『Beth』廃刊
vol.8が最終巻との告知が11月発行のvol.7に掲載された。木原敏江「ふるふる」の連載はvol.6終了。

オトメン(乙男) 4 (4) (花とゆめCOMICS)
オトメン(乙男) 4巻
菅野 文
●12月発売

夏目友人帳 4 (4) (花とゆめCOMICS)
夏目友人帳 4巻
緑川ゆき
●8月発売

ひまわりっ~健一レジェンド 6 (6) (モーニングKC)
ひまわりっ 〜健一レジェンド〜 6巻
東村アキコ
●12月21日発売

口紅水仙 (シリーズ星座の女)
口紅水仙 (シリーズ星座の女)
牧 美也子
●5月発売


アルカサル―王城 13巻
青池保子
●9月発売。完結巻。

レッド 1 (1) (KCデラックス)
レッド 1巻
山本直樹
●9月発売

毎日かあさん4 出戻り編
毎日かあさん4 出戻り編
西原理恵子
●7月発売



■2007年はファンタジー!

:ところで、私は今年は新しい漫画でいいなと思うのがなんだかたくさんあった気がしましたが、みなさんはどうでしょうか? ファンタジーにいいのが多かった。自分が新しく読んだだけかもしれないけど。
:それはうらやましい〜。人外好きなのでファンタジー大好物です〜おしえてくださいー。
「羽衣ミシン」というのがまず面白かったです。表紙でジャケ買いでした。大人のファンタジーって感じでよかったす。
小玉ゆきさんでしたっけ? あれ、いいですよね。気が付いたらけっこう人気あるんですよね。『フラワーズ』で読んでいいなーって思ってました。
:最近はまたああいう甘いお話が好まれてるのかしら……。平和な話ですよね……乙女チック? じゃないけどなんか。
:お薦めです。ヘンでした。平和なんだけど。取り立ててビックリするような感じでもないんだけど。
:へんなのか(笑) メルヘンよりのファンタジー?
:そうそう、つるの恩返し現代版です。そのままなんだけど。
:そうね、メルヘンですね。人外といえば人外だけど、城野さんの言ってるのとは違うかも?
:昔話の変身譚みたいなのがベースなんだけど、とぼけてるんですよねーなんか。絵もやわらかくていいから合ってますよね。
:村上知彦さんも『フラワーズ』の若手たちいいなあって。年末の総括にもあげてらっしゃったな。大人も読みやすいんだと思うよ。
:ほほう〜。
:あとはね、吟鳥子「一人の王にさしあげる玩具」とか「架カル空の音」とか描いてるの。
『ウィングス』の人かな? 絵が印象的で本屋で良く迷う(笑)
『ウィングス』にもいるけど、ビーズログが単行本を出し始めてね、そこからちょっとおもしろいのが。
:はつみみ。
:私も知らない。
:あーこのひと知ってる知ってる。確かに本屋で気になる。
:私は「一人の王にさしあげる玩具」が一番好きです。でもみんなおもしろいの。
:絵がキレイですねー。
:あとは、自分ばっかりあげてててすみませんけど、夏目ココロ「王様の学校」っていうのも面白かった。
:ほう。
:うわー知らない〜。でも、書影見ると表紙で気になってたやつだ。買いだな(笑)。なんかそそられました。
:むすめがさ、感想書いてハガキ送ってたよ。王様の学校に一人庶民がいてっていう、話です。そう、夏目ココロは同人誌書いてる人だとなぜかむすめが知ってて驚きました。ビックリした。「とらのあな」の同人誌の新刊案内に載ってたんだって。たまたま家にあったのをなめるように見てたんだと思う。
「とらのあな」ってお店だっけ。乙女ロードにあったっけ?
:新刊同人誌がいっぱい置いてあるところですね。
:小6の情報網はあなどれない。ウチの息子も私より色んなことを知ってて色々教えてくれます。

:あとは、遅まきながらなのが「群青学舎」!!
「群青学舎2」の、歴史ロマンみたいな作品が、もっと長く描け!!みたいな感じで、いいですよね^^;(ってどんな感想や……)
「群青」はなぜか読み損ねています(笑)
:なんかこう、このひとのは全部、まっとうなんだけど実験的で、いろいろやろうとしてるのがとっても好感なんだけど、うますぎるよなあ、みたいな……複雑な感想を持つ(笑)。しかし、うまいひと多いです漫画界。
:私は、なんかこういうタイプの人が同人誌じゃなく描ける場所が登場したんだなあと感動しました。

:そういえば、松田奈緒子『コーラス』で連作してた「少女漫画」はヤマダさんは読まれました?
:読んでます。初回の「ベルサイユのばら」がテーマのは特に印象的だった。
「ベルばら」は初っぱなですね! 私、こんな仕掛けで往年の名作をテーマに取り上げる作品がマニアックでなく出てくるようになったんだなーっていうのが感慨深かったです。
:相変わらず私って読んでる範囲せますぎ。もっと読まねば……。

:私は今年のマンガに関してはまだたくさんあるよ(笑)。「黒執事」というのも面白く読みました。1巻の表紙を見て買いました。
:ああ、読んでみたいのー! 黒羊…執事。
:くろしつじ(笑)
「黒執事」書店で平積みでした。人気作ですか?
:近所の本屋で「今売れてる少女マンガ新刊」の1位になってた。私も装丁見て……あれ気になりますよね(笑)。1巻買ってみたので、これから読む(笑)。

:それから自分的に「ハレンチ系少女マンガ」って読んでるのがあって。
:ハレンチ系(笑)
:なんですか、それはいったい(笑)
:なんか、ハレンチなの。まんま、たとえば「学園王子」とか「スイッチガール」とか。ぶっちゃけてるの、なんだか。
:ピンクな感じの表紙ですね〜?
:どこらへんの雑誌でやってるのですか? 『フレンド』系……『チーズ』系かな?
『別フレ』? なるほどーー読んだことは無いけど、積んであるのは見てるかなあ。
:もともとは新條まゆとかみたいな感じなんだけど、今は講談社に多い。女子高生が官能小説家だったりする「桃色ヘヴン!」とかも……、なんというか、面白いの。
:ケータイ小説も官能ってほどじゃなくてもそういうノリなんですよねー。
:ケータイ小説の「恋空」も漫画化されてましたね。
:私はなんか、一周してぶっちゃけ感が清清しいっていうか。生きる!って感じなの。「キライな人もいっぱいいる」と思うけど、生きてこうとする力が感じられていいの。
:へーーなんかわかるなぁ(笑)。突き抜けちゃってるのかな〜。
:プリミティブってやつですよね(笑)。本能的。
:私は官能といえば、『Kiss』でやってる「後宮」がけっこうエロいなあって思って読んでましたけど(笑)
「後宮」はもう終わったよね?
:え、終わったの? そうか、今出てる新刊が最終巻なんだ? 買わなきゃ。いや、これは「ハレンチ」じゃあ全然ないんだけど……(笑)
:真面目に描いてるんだよね(笑)。ちらっと読んだことあるよ。
:うん、すごく静かなというか、きまじめな作品だよ。でもこの硬い筆致から意外にかなりエロい香りがするんだな。そのギャップが好きというかそそるというか(笑)。いや、古典が原作だからそういうものだと思うけどさ。雑誌でちらちらっと読んで、気になってまとめて読んだら満足した(笑)。
海野つなみ、いいですよ、すごく。彼女はひっそりと問題作を描く人ですよね。まじめに誠実に。「回転銀河」というのが私は好きでした。小西さん好きかもしれない。
:私、他の作品を全然知らないんですが、絵は硬いんだけどなんか面白いこと描いてるなあと。回転銀河……回転寿司みたいなタイトルだなあ〜^^;(書影を見て)おっ表紙きれい。あっ双子だ双子! 買います読みます!
:さすがにヤマダさんの守備範囲は広いーー。ハレンチ系のほか、何かありますか〜?
西炯子の新刊がよかったよ。「ひらひらひゅ〜ん」新書館で、弓道部の……西式イケメンパラダイス。
『ウイングス』ですね? 西さんも復活しましたねえ。
:屈折してるけど。「電波の男よ」もよかった。
:私もその漫画面白かった。西さんって『フラワーズ』に載ってるのしか読んでないんですけどね^^;
:西さんって[あの漫画を今日は読もう]でまだ取り上げてないよね〜?
:過去作品とか入手しにくいのよね。上げたいんだけどねぇ。
:こないだ書店で児童書の装画の仕事も見た。「都会のトム・ソーヤ」(はやみねかおる)の絵担当ですねー。

:あと、今市子「僕のやさしいお兄さん」も、わたしはひさびさに好きなBL作品だった。彼女は今年は新刊を数冊出してるんじゃないかな。
:そんなに新刊出てましたかー! 「やさしいお兄さん」は混沌とした人間関係が面白かったですねー。
今市子……覚えられないタイトルと中味。
「僕のやさしいお兄さん」「幻月楼奇譚」「百鬼夜行抄」
「盗賊の水差し」
「夜と星のむこう」……出てる出てる。朝日ソノラマからのは10月に朝日新聞社に発行元が変わって新版で出直してるしねー。
『ネムキ』はどうなるのかな!?って思ってたけどちゃんと刊行されてるね。



羽衣ミシン (フラワーコミックス)
羽衣ミシン
小玉 ユキ
●8月発売

架カル空ノ音 1 (1) (B’s LOG Comics)
架カル空ノ音 1巻
●3月発売

架カル空ノ音 2巻
吟鳥子
●9月発売

一人の王にさしあげる玩具 (WINGS COMICS)
一人の王にさしあげる玩具
吟鳥子
●2006年2月発売

王様の学校 (B’s LOG Comics)
王様の学校
夏目ココロ
●10月発売

 

群青学舎 二巻 (BEAM COMIX)
群青学舎 2巻
入江 亜季

●6月発売


少女漫画
松田奈緒子
●『コーラス』7月号〜12月号まで不定期掲載。2007年12月末現在、単行本にはなっていない。

 

黒執事 1 (1) (Gファンタジーコミックス)
黒執事 1巻
●↑噂のジャケ買い

枢やな
●最新3巻12月18日発売


学園王子 3 (3) (講談社コミックスデラックス)
学園王子 3巻
柚月純
●10月発売

スイッチガール!! 4 (4) (マーガレットコミックス)
スイッチガール!! 4巻
あいだ夏波
●12月25日発売

後宮 5 (5) (講談社コミックスキス)
後宮 5巻
海野つなみ
●11月発売。完結。


ひらひらひゅ~ん 1 (1) (WINGS COMICS)
ひらひらひゅ〜ん 1巻
西炯子
●8月発売

電波の男よ (フラワーコミックス)
電波の男よ
西炯子
●10月発売

 

僕のやさしいお兄さん 1 (1) (花音コミックス)
僕のやさしいお兄さん 1巻
今市子
●8月発売



■メディア化、花盛り!

:あとは、少女漫画のメディア化は今年もますます活発でしたね。
「有閑倶楽部」のドラマとかは見てる?
:たまに見る。今まで二回くらい見た(笑)
:家族が見てた。
:たまに見る。
:いや、自分が見てないので聞いてみた……。
:見てないのか!(笑) いや、私も一瞬しか見てないんだけど(笑)
:たまーに見たらユウリが可愛かったから。可憐も納得だったよー。
:悠理かわいーよね! 悠理すごくいいと思う、ドラマキャスト。
:悠理は私もかわいいと思いました! 男性陣がちょっとナットク行かない部分もあるけど。
:美堂はいいと思う。
「有閑倶楽部」再読したくなったから成功と言えば成功かな?と思って(笑)。読みたくなるって大事だよねー。
:再読効果は大事だね。本も書店に山積みだもんね。
「山田太郎ものがたり」とかは?(笑)
「山田太郎」は今思えば逆のキャストでみたかったな……。
「山田太郎」はドラマは見なかったけど、書店で山積みになってたので全部読んで面白かった。これもドラマ化効果ですよね。
:メディア化効果で入手しやすくなるの嬉しい。
:私はドラマ見たあと原作読ませてもらったけど、あれはあれで忠実だったんですね〜。
:忠実でないところが大事だったという落とし穴(笑)
:まあとにかく、ドラマ、アニメ化、映画化のマンガがもうすごい量ですよね。今や書店でそういうコーナーがあるという。実際本が売れるんでしょうね。
:すごいよね。漫画原作じゃないもののほうが多いんじゃないかってくらい。大げさかな? ドラマは「のだめ」はよかったと思う、やっぱり。
:新春に特別編で続きをやるしね。
:少女漫画だと「ライフ」も今年だよね?
:「おめーの席、ねえがらっ!」
:……あと「さよなら絶望先生」に夢中でした!!
:押すね!
「絶望先生」何回か見ましたよ!
:BLのアニメ化や映画化もあったりしますしね〜。とにかくオタクブームが続いてますね〜〜ガンオタ、鉄、しょこたん(笑)。
:ますます目立った年だったってのはありますよね。

:名作のアニメ化といえば、「地球へ…」とかねえ! なんだかちょっと騒然としてましたよ? イベントもたくさんあったみたいだし、竹宮作品はたくさん復刊されて新装丁で本屋で平台に並んでたし! 新装丁はデザインが新鮮に感じてよかったな〜。
:あのアニメ化で若いファンが増えたってのはありましたよね。
:関西では夕方に「おお振り」の次にやってたんですよ。すごい健全な?(笑)1時間じゃないですかー。
:でもね、漫画で読むと難しくないのにアニメで見ると難しく感じました。
:そうですか!? それって竹宮先生がすごいんですね? 確かに、そんな難しい話と思って読んでなかったですよ、昔。
:うん、竹宮さんの情報処理の能力ってすごく高いんだと思う。
:なるほどーー。
:あとね、アニメの絵が好みの方もおられるけど、私はやっぱり絵は元絵に愛着があるのでそこが……(笑)。いや、今風の絵にする意図はすごくわかるけど!
:狙いは理解できるんですけどねぇ。私も純粋にソルジャー・ブルーカッコいいーーと楽しめなかったように思います。古いファンと新しいファンの間に溝がある気もしますけど(笑)、でも原作を読むきっかけになってくれれば。
:原作のファンにとってはけっこう違うとこがあったみたいですが、でもそれはまあしょうがないよね。かなり製作者の思い入れはあって丁寧に作られてはいたみたいだし。
:若い人にはアニメ化はよかったと思いますよ。アニメから入って本読んで、すごい面白いじゃん!って人、多かったんじゃないですか? そうだろう、そうだろうとも! って私が胸はってどうする(笑)……だが。
:アニメの影響で、私は二人の若者から「竹宮惠子の漫画貸して!」って言われたから、効果はあったんじゃないかと。それに昔の作品が新たにシリーズで出たので、かつてのファンも目を留めたでしょうしね。知人も「懐かしいのがあって買っちゃった」って言ってました(笑)
:過去のアニメ作品なんかも入手できる様になったんだったかな?
「変奏曲」とかも愛蔵版でまた出たしね。
:続きは増山さんの小説で締めるとかいう話でしたね。
:ちょっと話が戻りますが、アニメ化で新しい作画で制作されてる作品に“原典:「地球へ…」竹宮惠子”って書いてある。
:原典だったのか(笑)、原作じゃなくて。
『スクエニ』で連載だっけ? 原案でもないのね〜。
:どういう差別化なんだろう(笑)。定義が知りたいな。

「ポー」のアニメ化とかもあったりすると、こういう感じなんでしょうかねえ? 古いファンは複雑〜みたいな。
:よっぽどでないと「ポー」ってアニメ化とかないだろうねえ(笑)。だから今回はラジオドラマだったのでは。
:声だけなら、って感じだったかなー。
ラジオドラマ(関西ラジオ 10/6から放送中)は、かなりいい感じと思いますよ。
ドラマCDも出るし(第1巻12/21発売)。全6巻は全部買うと高いけどね(笑)
:萩尾作品はなかなか世界を他の媒体に移すのが難しいよね。私は石森さんと手塚さんの差みたいなのを、萩尾さんと竹宮さんに感じる。
:ほほー。
:具体的にどんな差ですか?
:手塚は構成が繊細なので他の媒体に変換するのが難しくって、石森は実はそういう意味ではなんというか余裕のある造り方がされてるので、他の媒体にすると案外うまくいくの。
:そうだなあ、そうかもしれない。いえてるなあ。
:竹宮作品はけっこう入れ替えきく感じ、あるある! それに、二次創作なんかで人気がでるのもそうだけど、「ツッコミドコロ」があるほうが手を出しやすいっていうのはあるんだと思う〜。
:うーむ、納得。完成度の高さはどちらもあるんだけど、自由度みたいな部分の差でしょうか?
:なるほど。
:竹宮さんのは、他の人が独自の解釈を入れても、「地球へ…」なら「地球へ…」という作品として成り立つの。強いの。萩尾さんのは、もっと…さりげないの。
:ファンの質ってのもあるなあ。萩尾ファンは個々のこだわりも強いからな(笑)
:まあ、受け手の側のこともあるかもですけど(笑)、萩尾作品はやっぱりコマの流れとかの意図や面白さを汲んで更にうまいことアレンジ変換してもらわないと、どうしても、原作はこうだったのになーとか思っちゃうな。
:萩尾世界ってひとつパーツ変えたらがらがら崩れそうな気がする。脳内妄想が完璧すぎる。
:うんそう。萩尾さんの世界って微妙なの。他の人の解釈を入れちゃうのが難しいの。
:だからねえ、その解釈をそのまま味わいたいのに造本でじゃまするな〜〜って思うんですよいつも! なんだか、雑誌掲載で読むのが一番萩尾先生の意図に近くて邪魔がなくていいんじゃ〜?って思ったりしますよ……(涙)
:ははは(笑)そうなんですか? 雑誌がいいんだ……。あ、でも解釈を別にして、別メディア化がうまくいってるのが「半神」。劇とか、テイストを持ち込むとかのほうがうまくいくのかも。
劇団夢の遊民社の「半神」はもう全然違うからな(笑)。「霧笛」のほうが原作といったほうがいいのではないかと……(笑)
:あの舞台はものすごく良かったぁ。泣けた泣けた。
「半神」は原作が短いから増やせるしね(笑)。それになにより、変換する方ができるだけ忠実にというより、闘ってるかな。なにか、作る側が闘わないと原作に負ける感じがする。
スタジオライフとか遊民社とか、別物と受け入れやすい面もあるし、アニメ化だとなまじ絵で闘うだけになあ……。
ライフは台詞がストンと落ちてきましたヨ。台詞のいっこいっこに自分の思い入れがあるからでしょうね。
:そうなんだ。
:そういえば宝塚で萩尾作品ってあったっけ?
:やったじゃーん「アメリカン・パイ」。出不精のこのワタクシが珍しく見に行きましたから(笑)。面白かったよー。
:ああ、そうだったね。城野さん、よく覚えてる!
:忘れてたー。あったなあ、そんな舞台化……。いつでしたっけ?
:けっこう前だよね。2003年ですね。

「ポー」はどうせやるなら洋画とかさ、思いっきりお金かけてやってくれんかな。
:そういえば、あのイギリスの映画学校で作られたという日本の女性監督が「ポー」にインスパイアされて作ったという映画が見たい。
全員:見たい見たい!!!!!
佐藤嗣麻子監督ですよね? 「ヴァージニア」でしたっけ。
:あれは見たいな〜〜〜。本当に見たいよ!!
「ヴァージニア」は見てないけど、萩尾さんの作品はそういう風に、心の中でそのことを思って作った作品のほうがきっとテイストが生きるのかもと思う。
:ああ、そうかも! いいこと言うなあヤマダさん〜。
:このシーンを絵にしてみたいって思ったところを切り取って、それを膨らませていく感じ?
:うんそう。
:うんうん。へたにそのまま作ろうとしたって無理だから、みたいな。自分のものに一度噛み砕いてーー自分の血として出す〜みたいな〜。小西さんが「闘う」って表現したのもそういうことじゃないですか。
:なるほどー。
:換骨奪胎。
:そういう意味では萩尾さんのテイストを宿しているマンガ家さんってたくさんいると思う。
:小説家さんもたくさんいますね。
:佐藤監督なんかもそうでしょうし、漫画以外でも影響大ですよね。
:なんだか超・萩尾論に話が展開されてしまいましたが……面白いからいいよね。残しましょう(笑)



有閑倶楽部(10巻セット)
有閑倶楽部(10巻セット)
一条ゆかり
●連載は1981年『りぼんオリジナル』春号から。

山田太郎ものがたり 第15巻 (15) (あすかコミックス)
山田太郎ものがたり
第15巻

森永あい
●9月発売
山田太郎ものがたり
山田太郎ものがたり
DVD

●2008年1月9日発売


ライフ 16 (16) (講談社コミックスフレンド B)
ライフ 第16巻
すえのぶけいこ
●9月発売

ライフ DVD BOX
ライフ
DVD

●12月19日発売

さよなら絶望先生 第11集 (11) (少年マガジンコミックス)
さよなら絶望先生11巻
久米田康治
●12月17日発売

さよなら絶望先生 特装版4
さよなら絶望先生 DVD特装版4巻

●12月26日
発売

 

地球へ… 1 (Gファンタジーコミックススーパー)
地球へ… 新装版
全3巻

竹宮惠子
●4月発売

地球へ・・・Vol.6 【完全生産限定版】
地球へ・・・DVD Vol.6 【完全生産限定版】

●2008年1月1日
発売


地球へ…〜青き光芒のキース 1巻
林 ふみの
原典:竹宮惠子
●9月発売

ファラオの墓 3 新装版 (3) (Gファンタジーコミックススーパー)
ファラオの墓 新装版
全4巻

竹宮惠子
●7-8月発売

変奏曲 vol.2 (2)
変奏曲 新装版
1-2巻

竹宮惠子/増山法恵
●8月発売

 

半神 (小学館文庫)
半神
萩尾望都
●1984年『プチフラワー』1月号掲載作品

戯曲 半神
戯曲 半神

萩尾望都/野田秀樹
●1986年、劇団夢の遊眠社により初演。ビデオ化もされている。


霧笛
萩尾望都
原作:ブラッドベリ
●1977年『週刊マーガレット』9号掲載作品


アメリカン・パイ
萩尾望都
●1976年『プリンセス』2-3月号掲載作品

佐藤嗣麻子監督
●「ヴァージニア」は1992年東京国際ファンタスティック映画祭でアボリアッツ大賞を受賞。[データはこちらを参照]新作では2008年『K-20 怪人二十面相・伝』の監督・脚本を担当。



■少女マンガパワー!

:そういえば、年末は「大奥」の3巻も出ますね?
:おおー
:来月(2月号)の『ダ・ヴィンチ』では「大奥」について萩尾さん×三浦しをんさんの対談が載るよ。
:あっら、把握してないよ……ありがとう!
よしながふみさんは「少女マンガパワー!」展では「西洋骨董洋菓子店」の原画とか、同人誌の「そっとしておいて」の原画が出ますよ〜。
川崎市市民ミュージアムの「少女マンガパワー!」展、いい展示になりそうというお話で、すっごく楽しみにしてます。
:23人の作家さんの展示なので、いろんな準備で緊張の日々です。
:原画を預かったり、段取りもたいへんな作業量ですよね。
:お客としては楽しい限りですが^^;
:図録に最新の作家インタビューが掲載されるということですが、図録って何ページくらいあるんでしょうか?
:100ページくらいです。各先生の作家紹介ページが2ページづつでも46ページになるしね。
:すごく充実してますね! 図録もホントに楽しみだなあ!
:開催はいつでしたっけ?
:2008年2月16日から3月30日です。今回はたくさんの人にお世話になっています。ホントにありがたいです。
:もうすぐですねーーたいへんだぁぁ。
:万難を排して行きます!
:初日に行こう!!
:初日には徳雅美先生の講演があります。3月1日には水野英子先生のトークショーが! それから20日は映画上映で「天然コケッコー」「櫻の園」をやります。
:こういう展示とかトークショーとか、ふれあう場があるのって本当に嬉しいですねぇ。
:初日に行って、レポート上げたいですね!
:私もできるだけ早く行きたいなー。無事に行ければ報告を!(笑)
:年明けはイベントがたくさんですねー。3月には新宿の朝日カルチャーセンターでヤマダさんと山本順也さんの対談の講座もあるしね。


大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス)
大奥 第3巻
よしながふみ
●12月20日発売

 


少女マンガパワー!展
川崎市市民ミュージアム
●会期:2008年2月16日から3月30日
●北米9カ所を巡回した 「Shojo Manga! Girl Power!」展をベースに、更に独自の企画を加えてバージョンアップされた大規模な少女マンガ展覧会。23人の少女漫画作家の100余点におよぶ原画・原画’(ダッシュ)ほか多数の貴重な作品・資料を見ることができます。(有料)
詳細はこちら


「少女マンガの力の秘密」

講師:ヤマダトモコ(マンガ研究者)、山本順也(元小学館編集者)
●朝日カルチャーセンター新宿教室(有料)
●2008年3月8日
詳細は公式サイトへ



■萩尾先生の2007年!

:では恒例、萩尾先生関連の2007年をざっとまとめてみましょうか〜。
短編連載、&コミックス、&パーフェクトセレクション、ですか?
:詳しくは別表の萩尾望都先生の2007年で見ていただくとして。今年は2月に絵本がでて……ガラパゴスへ旅行……「ここではない★どこか」シリーズが続いてて、対談が相変わらず多く……SF大賞関連でSFマンガとかも発表され。
:イタリアに行かれたのは今年?
:イタリアは、マンガは今年発表だったけど、旅行は去年ですね。
書籍化された対談(註4)も多かったね。それも、血を受け継いだ後継の方との対談が多いのが特徴である。コレがまた血が濃く面白く……。
:後を継ぐ者(笑)
公開の対談や座談会とかで生で萩尾先生が見れる機会が今年もありましたしね〜。
5月にぬりえ発売、6月「山へ行く」コミックス、7月にパーフェクトセレクション刊行開始(註5)。8月も対談に座談会……そのあとも対談に座談会……です。しかし、今年もコンスタントに短編をたくさん出してくれたので良かったな〜と。
短編、よかったですよねー。あらためてさすがだなーと。今更&当たり前だけど(笑)
「あぶな坂」シリーズこれからも続くといいな。
:これが続いてまとまると、ブラッドベリ以来の集英社発売のコミックスかしら?
「山へ行く」のシリーズは、萩尾先生がいっぱいまだまだ描きたいことがあるのが嬉しいな。「あぶな坂」もかなり好きです。しかし、萩尾先生がほんとーに生粋の漫画好きというのが一番嬉しいかな!
:雑誌が全然フォローできていないのでコミックスを楽しみに待ちます〜。
:私も城野さんに同じ……。
:個人的にはミーハーなのが読みたいです〜男の子がでてくるような〜。でも、今年は『パーフェクトセレクション』につきるんじゃないかと!(笑)
複製原画も全プレでいっぱいついてきたしねえ。どんなのが出るのか? という期待感が今年は楽しかったです。あと、ぬりえとかラジオドラマとか、なんか別メディアに展開(註6)されてるのも良かったな〜。そういうのも久しぶり。色々たくさん出ると、新たなファンが生まれるからね。
:ぬりえ購買層は従来のファンが中心では(笑)……お店で売ってるの見なかったしな〜。でも話題にはなるね。
「ベルばら」のぬりえはよく並んでたけど、「ポー」は見ませんねぇ。
:みんな、ぬりえ買って塗ったんですか!? もよさんは!?
:塗るつもりだけどまだ塗ってない〜〜塗りたいんだけど〜。
:私はハナから塗るつもりはないのだが(笑)
:ところで、全然違う話なんですけどね、今月スーパーで、パッケージに池田理代子の絵のついたチルドピザ売ってたよ! ピザ・マルゲリータの由来のマルゲリータ王妃って。
:へ〜〜〜? ピザに!
:たぶん書き下ろしじゃないかな。別メディアに進出!!……の道程は池田先生が切り開いていっているのだなあ……(笑)
:前にパチンコにもなったしねえ「ベルばら」。年末から大規模な原画展覧会も各地を巡回してるしね? それも、すごく画期的だと思う。少女漫画家で単独でって。
:これが萩尾さんだったら毎日ピザだな……。
:そしてパチンコ……? そして展覧会も各地追っかけ……?
:毎日チルドのピザはきっついなあ(笑)。このピザでかいから買いだめしたら冷蔵庫いっぱいになるだろし。
:困るなぁ(笑)
:でもエドガーの金貨とか欲しい気はする。普通に売ったら売れそうだ……よく新聞の日曜版とかに載ってるよね? スヌーピーとかキティちゃんのとか。
「ベルサイユのばら2007貨幣セット」てのは造幣局から出たよ(笑)。ホントにメディアミックスの祖は池田先生だね〜。
:金貨、18Kで出たら買うよ私は。でもいろいろ出されても困るから出なくていいけど……。ていうか出ないで……。
:買うのは言わんでもわかってるって(笑)。でもさ、もし、竹宮先生が研究されてる「原画’(ダッシュ)」なレベルで萩尾先生の複製原画が売りに出されたらどうですか?
原画’(ダッシュ)ってけっこう良いお値段ですよね。でも、欲しくなっちゃう〜。
:私は実物まだ見たことないけど。
:今、京都国際マンガミュージアム原画’(ダッシュ)京都展」(註7)やってるんですが、参加されてる作家さんのトークショー(註8)で色々お話が聞けましたよ。一日に1-2枚しか作業ができないんだって。
:そんな風に説明書きがあったねぇ。去年、埼玉に竹宮先生の展覧会を見に行った時に読んだなー。でも原画’(ダッシュ)は出来がいいよー。鉛筆の線とか萌えるよー(註9)。
:ほぼ原画感があるよね! 私も最初見たのは、2004年に精華大学で公開座談会(「証言・黎明期の少女まんが作品と作家たち」)があったときの展示だと思いますが、あの時、ホントにビックリしました。コレはナニもの? みたいな(笑)。だって写植貼付けて紙が二層になってるようなのも見た目として再現されてるんですよ?(笑)。「ポー第一期」の「ダッシュ」があったらぜひ欲しいね私は! 特に、絵の切り貼りの質感まできっちりわかるようなのが!
:確かに、原画にしか見えない、シロートには。でも、この世にふたっつ(以上)ある、というのはどうなの?
:私はいいなって思えたよ。複製だと思えば、痛んでもかまわないから飾れるし。
:それは言えてる! 多少は日焼けしても諦めもつくよね。だいたい、人の目に触れずに仕舞っとかれる絵というのはあんまり意味がないと思うし……。本も作品も目に触れてこそ、意義があるよね! 今年はそういう意味では、過去の名作もいろいろまた取り上げられたし、少女漫画の状況にも新たな一歩という気がしました。来年は「少女マンガパワー!」展もあるし、またいろんな期待があります。これからも、たくさんの素晴らしくて面白い漫画がずっと読めますようにと願いを込めて、この座談会も終了といたします。
● ● ●
2007年も最後まで「図書の家」に長々とおつきあいいただきまして、ありがとうございました。
ここまで読んでくださった皆様に心からの感謝を申し上げます。
そして、来年も引き続き、一緒に漫画を楽しみましょう!!!


山へ行く (フラワーコミックス)
山へ行く
萩尾望都
●6月発売
●『フラワーズ』連載の短編「ここではない★どこか」シリーズの第1巻。

(註4)書籍化された対談……

読書会
山田正紀/恩田陸 ●1月発売

まんがキッチン

福田里香 ●3月発売

よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり
●10月発売

(註5)パーフェクトセレクション刊行開始……

ただいま刊行中。2008年2月まで続きます。

トーマの心臓 2 (2) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 2)
トーマの心臓 2 (萩尾望都パーフェクトセレクション 2)
●7月発売/「湖畔にて」別冊収録

ポーの一族 2 (2) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 7)
ポーの一族 2 (萩尾望都パーフェクトセレクション 7)
●12月21日発売

(註6)別メディアに展開……

永遠の少女マンガぬりえ ポーの一族
永遠の少女マンガぬりえ ポーの一族
永遠の少女マンガぬりえ 萩尾望都作品集 <