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 日々の折々、図書の家研究員がおすすめ漫画をナビゲート。今回は「カラフル!」をテーマにセレクトしてみました。
 クールにいくかホットでいくか、色のイメージから入るのも悪くない。きっとあなたの心を染める感動がここにあります。
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青い鳥(ブルーバード) (PFコミックス)
青い鳥
萩尾望都

[初出]1989年
『プチフラワー』11月号




 バレエ・シリーズの中ではちょっと異色作かな。東洋人のヤンのとらえどころのない行動やわかりにくい表情、日本人も西洋人からみるとこんな感じなのかなぁって思わせる。幸せの青い鳥になぞらえられてるヤン自身の青い鳥とは何か。それがわかるラストが美しい。アッシュと一緒にいらっとしてた読者もじわ〜ん……。これもまた作者のバレエへの愛がひしひし感じられる作品ですね。

メッシュ 1 (1) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 4)

ルージュ(メッシュ2)
萩尾望都

[初出]1980年
『プチフラワー』秋の号




 
美青年メッシュの傷心が痛い連作。冒頭にルージュを引くメッシュが登場、ソレが2話のタイトルね……と思ってたら作中幾つも紅色が散りばめられてた。こんなに凝った演出に気づかず何となく読んでいたなんて、すごくすごくモッタイなかった! メッシュのトラウマ克服の物語は激しくてしんどいが、庇護してくれる画家ミロンによって次第に心がほぐされてゆくのが快感。この第2話のラストを見て〜。もちろん「残酷な神が支配する」との読み比べもお薦めです。



蒼のマハラジャ 4 (4) (HMB K 8-4)
蒼のマハラジャ
神坂智子

[初出]1990年
『ASUKA』3月号〜1993年6月号



 香坂智子の描くエキゾチックな物語は骨太で読み応えが有り、気楽に読み始めると辞められなくなります。このおはなしもロマンティックでありながら実際の歴史と重ね合わせていろんな事を考えさせられます。でも、そんな事関係なくカッコいいシルバやモイラにわくわくウットリしちゃうんだけど。インドのことを好きになって少しだけ理解できたような気になりました。読後感の良いこと。前向きになりますよ。

ゴールデン・デイズ 6 (6) (花とゆめCOMICS)

ゴールデン・デイズ
高尾滋

[初出]2005年
『花とゆめ』10号〜2007年10月現在連載中




 学生時代はまさにゴールデンデイズ。しかし、このお話一筋縄ではまいりませぬ。なんとタイムスリップ時代劇! 大正ロマンまっただ中にタイムスリップ。男の子の友情って女性目線で見るととても親密で怪しいわけですが(苦笑)祖父と間違われたまま大正時代に暮らす事になった光也と仁の関係もしかり! 姿を消したままの祖父の謎。光也は現代へ帰れるのか? 明るいなかにほのかな暗さを感じさせるような高尾滋の魅力を是非ご堪能あれ。


緑茶夢
〔グリーンティードリーム〕
森脇真末味

[初出]1986年
『ビッグコミックスピリッツ』2/15号〜1989年7/3号



 本来の第一話が文庫版ではカットになっているため、今読むとこの作品がなぜに「緑茶夢」なのかがわからずじまいになっているのだが、そんなことこの際無問題に、この作品の魅力はエバーグリーン。立っているのもやっとなほどナイーヴな弘が放つ、ナイフみたいに尖っては触るものみな傷つける勢いの言動には、何度読んでも容赦なく身を切られる思い。だがしかし、これが痛いと思えるってことが、生きてるってことなんじゃないかと。

Pink

pink
岡崎京子

[初出]1989年
『NEWパンチザウルス』2月23日号〜89年7月4日号




 愛らしいバラのピンク、優しかった母のマニキュアのピンク、ワニが食らう肉塊のピンク。可愛らしさも毒々しさもそのままに、ユミの人生を彩る彼女の大好きなピンク色。混ざり合うことのない矛盾と、それが織りなす綺麗なマーブル模様。その渦巻きが、周囲を巻き込んで肥大し拡散していく様が昔は苦手で、いつしか好きになっていた。しかし岡崎京子作品は、どれも今読むと、当時必ずついてた「衝撃作」という冠が冗談のようですね。

青い花 2巻 青い花
志村貴子

[初出]2004年
『マンガ・エロティクスF』Vol.30〜(継続中)



 実際の鎌倉の風景がよく活かされてるので、読んでいるだけで行ってみたくなる。木造建物の温かみや、高校生ならではの感情や人間関係も懐かしく。同性によせる憧れや、友達関係の甘さや疎ましさも懐かしく。まさに「青」い時期の初々しくもイタい感じ。そして今開きかけてる「花」。うーんいいタイトル! 百合モノということにはなるのだけども、ふみが誰を好きでも応援するよ、というあーちゃんの友情が素敵なんだよね。

銀の爪はさみしく
鳥図明児

[初出]1983年
『プチフラワー』5月号




 なんせ絵が個性的で、この人でないと描けない世界。鳥図さんの頭の中ではきっと原月国とその周辺の地図も歴史もぱーっと広がっているのじゃないだろうか。衣装も独特で、鳥図ファッションとでもいうか、透明な生地感、サッシュ、頭のリボンetc. 原月国で確かに着用されている様を見てきて描かれたような、そんな感じ。アルピノの兄がよせる妹への愛憎と狂気の表情が、銀という色に凝縮されたこの作品は入手困難本ではあるが、得がたい作家の佳品である。


レイニー通りの虹
ふくやまけいこ

[初出]1990年
『MOE』8月号〜『コミックMOE』〜『コミックFantasy』92年No.2



 虹色のドレスに虹色の傘をさしたリリアンの絵は、若き画家バジーの会心の作。心をこめれば未完成でも見る人の心を打つ。こんなシンプルなことが見えなかったバジーだが、リリアンを思う心がキラキラ輝く絵を描かせた。その魅力と雨を降らす不思議な力で持ち主を転々とする一枚の絵を巡るオムニバスの物語は、それぞれはとても短い。でも、一話ごとに雨を上がらせ心に虹をかけていく作家の目線は暖かく、展開は鮮やか。物語、かくあるべし!

朱の群れ
市川ジュン

[初出]1990年
『OFFICE YOU』5月号〜12月号




 デビュー時代から絵も話も上手い人。『別マ』時代は思いつめた女学生を扱った作品群が印象深かった。2年ほど前「女性の自立」なら市川ジュンだと薦められ、80年代以降の未読作品にて再会したら、鮮やかに艶やかに少女から大人の女性にバージョンアップしていて驚いた! 「朱の群れ」は戦前戦後の新婦人活動の温故知新を扱った作品。読み進み知ることによりモノクロな昔の写真も天然色に再現される、そんな感覚を目の当たりにできます。


全て緑になる日まで
大島弓子

[初出]1976年
『別冊少女コミック』2月号
*←朝日ソノラマ全集箱入り



 大島弓子には珍しい架空の国を舞台にした童話のような一作。男子同性愛をソドミィと呼んでた時代。愛するマリオン・ロダンと美少年トリステスの関係を妄想して一人焦るレージデージ・クロステッチ。ネーミングもこれぞ少女漫画でしょ? 「焦げたトーストのどっちにバタを塗るか?」が大島ファンの生活課題に加わったのは本作による。
白いバラの乙女 (フラワーコミックス)

白いバラの乙女
江平洋巳

[初出]2006年
『月刊フラワーズ』11月号、2007年1〜4月号




 自分が何者かと過大評価したり、かと思うと過小評価して卑下したり、人の目を気にしたり、忙しい思春期もそろそろ終わる高校時代。女の園の女子高でこその、女のドロドロをぶつけ合う青春! 一生公立共学で過ごした私にはなんかちょっと憧れ……いやいやいや、やっぱり怖い。絵もお話も少し不安定、でもそれがなんか揺らぐ少女達をうまいこと現してるように思う。


作品紹介を担当するのは
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ

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