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日々の折々、図書の家研究員がおすすめ漫画をナビゲート。今回は「Girl's Fight -ガールズファイト-」をテーマにセレクトしてみました。
力を競うわけじゃない。恋に仕事に夢に向かって自分らしくありたいだけ。闘う女の子はいつでも凛々しく鮮やかに物語を紡ぎだしていく!
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〔次回は10月下旬予定〕


スター・レッド
萩尾望都

[初出]1978年
『週刊少女コミック』23号〜79年3号




 ページぶち抜きで颯爽と現れたレッド・セイの登場シーンの衝撃は今も忘れない。暴走族のリーダーで昼間はクラシックなファッションでお嬢様学校というのもイイ。火星に恋焦がれる美少女には自由自在の超能力まである。リアルタイムでわくわく読んで、下敷きも持ち歩いた。セイを追う刺客になる豪快な黒羽も大好きだったし、超能力者嫌いのベープマンと丁々発止で闘う美女も好い。皆、勝気で絶対に負けないんだよな。エルグとの恋は惑星規模、イメージの壮大さとロマンティックさは逸品!


11人いる!
萩尾望都

[初出]1975年
『別冊少女コミック』9〜11月号




 
8月刊行『萩尾望都パーフェクトセレクション』で、大画面で正・続・オマケ(?)まで一気読み。ここには闘う少女のタイプ3種がキレイに出てきます。しょもないことまでよく喋り、短気で手も出る未分化フロル。反対に、黙って祈りつつ言うときゃ言うぜな法司長の後継ぎオナ。そして兄の仇打ちにつっぱしるチュチュ姫=分類“子ども”。子どもには勝てん…けど、子ども同士でバシンとチュチュに説教したフロル、あれは良い場面でした!



美紅・舞子
西村しのぶ

[初出]1986年
『ビッグコミックスピリッツ』2/15号〜1989年7/3号



 性格も考え方もまるで違う美紅と舞子。この二人、決して仲良しじゃあないってのがいいんです。言うなれば二人は志同じくする「戦友」。悩んで迷って挫けそうになっても、恋する相手に真っ向勝負のガールズ・ファイター。“同じ”であることに価値を見いだし安心感を得る傾向の女子世界にあって、違う個性を認め合い、互いに依存しない二人は実に凛々しく、己の気持ちにだけは嘘をつくまいと健気に誇り高く恋する姿は実に可愛い!

やじきた学園道中記
市東亮子

[初出]1982年
『ボニータ』9月号(秋田書店)〜連載継続中
*1991年より2003年まで連載中断。




 “闘う女の子”の漫画は数々あれど、シンプルかつストレートに「誰よりも喧嘩が強い」って設定なのって、この「やじきた」だけなんじゃないかしら。パンチラなんかものともせずに、悪人に回し蹴り食らわし素手でぶっ飛ばしまくる粋な女子高生……って、なんて胸躍る設定! 往年の傑作アクション映画を思わせる、あくまでアナクロな雰囲気もたまらない。長い中断の後にスタートした「赤目編」もついに完結、次章が待たれる!


少女革命ウテナ
さいとうちほ
原作:ビーパパス


[初出]1996年
『ちゃお』 6、7月号、9月号〜1998年3月号



 闘う美少女アニメのコミカライズ。セラムンのメインスタッフだった幾原邦彦とさいとうちほが世に放ったまさに異色作。闘う理由は正義なんかじゃないのよ。王子様になる為に薔薇の花嫁を手に入れる為に決闘を繰り返す天上ウテナ。意味深で思わせぶりなシーンの数々。気高く強くカッコ良いウテナの宝塚然キラキラぶりにわくわくいたします。アニメと比較してわかりやすいので、漫画を読んだ後に是非アニメを見てほしいワ。

新世紀エヴァンゲリオン
漫画:貞本義行
原作:GAINAX・カラー


[初出]1995年
『月刊少年エース』2月号〜不定期連載中




 包帯を巻いた少女が傷つきながらロボットに乗って闘うなんちゅううシュチエーションだ! と思ってから10年。コミックスも11巻を数えました。今一気に初読はおすすめです。以前チャレンジしてみたけどどうもね〜と言う方にもあえておすすめ。それぞれの気持ちの行方が丁寧に描かれてアニメではピンと来なかった方(それは私)もこの世界にダイブできると思います。強烈な個性を放つ少女2人に振り回されて大変だなシンジ。


はいからさんが通る
大和和紀

[初出]1975年
『週刊少女フレンド』7号〜77年7号



 男尊女卑の時代に男顔負けの行動力でわが道をいく紅緒。裁縫や料理などが一切ダメでさして美人ではない彼女に少尉を始め、周囲の美青年達が軒並み惹かれて行くのがスゴイ。現代でこそ女性が働くのも当然とはいえ、大正時代に男性と与するのは現実には相当大変だっただろう。そうした苦労をコミカルに描きつつ、自分の思う生き方を貫く紅緒、そして親友の環はホントに素敵。名物キャラとの絡みなど笑いの中にも涙涙の大団円!

チャンの騎士たち
坂田靖子

[初出]1979年
『LaLa』5月号・6月号




 一見男の子のようにも見える短髪でスレンダーのチャンが爽快。タッカー達の乗っていた車に乗り込んで猛スピードで運転し乗り捨てていく行動力。事件が解決した後に二人してほれ込んでしまうのも当然! 女がダメなシュペトレーゼをして「女にみえないからいいんだ」と言わせてしまうほどに。洒落たセンス満載のシリーズなのだがたった二編しかない。そして再録がない初期作品。もったいないぞー! 是非再録を願う!


美少女戦士セーラームーン
武内直子

[初出]1992年
『なかよし』2月号〜97年3月号



 「月にかわっておしおきよ!」と15年前に開始。「ムーン・プリズム・パワー・メイクアップ!」と両手をさしあげ変身ポーズ、まるでバレエ漫画のような華やかさ。セーラーミニの戦闘服からロングドレスのお姫様まで変身しまくりの主人公は、前世からの宿命の恋も胸に抱えて思いきり元気に悪と戦う。読んでみると意外なほど王道な少女漫画。しかし、お洋服を着替えるのって絶対大事! バレエ漫画しかり、セラムンしかり、ね。

シュガシュガルーン
安野モヨコ

[初出]2003年
『なかよし』9月号〜2007年5月号




 最終13巻出ました! 同作者の「働きマン」も闘う女子編集者だけど、悪い魔法使いと戦う魔女っ子がとにかく可愛いからこちらを推す。画面処理の細かい装飾も、魔法の小道具や結晶ハートも、ショコラやバニラが唱える呪文さえ全てが輝く宝石のよう。「シュガシュガルーン・ショコルーン・プリエエトワール!」とか、まるで「プレパラシオン!」「グランフェッテアントールナン!」みたい。これもバレエ漫画参考作品か?(笑)



超少女明日香
和田慎二

[初出]1975年
『別冊マーガレット』4〜5月号、以降断続的にシリーズ発表、現在も『コミックフラッパー』で不定期連載中。



 普段はちんくしゃだけど実は超能力美少女戦士! 頼れるお供は超能力キャット。そんな定番設定の、もしかしたら元祖? 男性作家ならではのスピード感とスケールの大きなアクションに、なぜか少女漫画なのに毎回明日香のヌードがあるのもウリだったり^^;。女性読者としては、明日香の美人さかっこよさだけでなく、スーパーお手伝いさんぶりにもほれぼれしちゃう!! うちにも来て〜明日香〜!

サイボーグ009
石ノ森章太郎

[初出]1964年
『週刊少年キング』30号〜1986年まで断続的に多様な雑誌に掲載。未完。




 9人のサイボーグ戦士のうち、女性はバレリーナを目指していたフランソワーズ=003一人だけ。でも彼女はあんまり激しい戦いはしなくて、赤んぼの001を抱っこしてお母さん役を引き受けてる。少女戦士によくある活発さや積極性よりも女性らしさを保つことで、無理やり体を改造されたサイボーグ戦士達の心の安らぎ的存在となっているみたい。しかも009のジョーとは公認の仲で、いつも寄り添ってるのよねぇ。


作品紹介を担当するのは
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ

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