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キリヤの夢にアオバが現れた時、人形たちは降って来た。幼いアオバの姿をした人形が爆弾のように次々と、キリヤ目掛けて落ちて、地面にぶつかって潰れた。熟れた果物のように。お人形は魂の宿る存在として怖い話の小道具にはよく使われるけど、赤頭巾ちゃんタイプの人形が頭から潰れてく図は不気味で、「恐怖の人形漫画ベスト10」があったら私は投票する。秋葉原の人形屋で夢と同じ人形をオーダーしたロボット人形、なぜだかこっちはかわいいんです〜。歩いたりしゃべったりするの。これ欲しいなぁ。
リデル・森の中 (ポーの一族) 萩尾望都 [初出]1975年 『別冊少女コミック』6月号
エドガーが余りにもさらりと「リデル人形」って言うから、英国には慣用句が? もしやマザーグース? と詳しい方に聞いてみたが違うらしい。じゃあ西洋人形とか市松人形とか? なんてブツブツ言ってたらあっさり「リカちゃん人形じゃない?」って。ああそーかバービー人形とかね! でもリデル人形って洒落てるし印象的、さすが萩尾台詞! って思ってたら「エドガー意外と少女趣味だね」とバッサリ言われ。まあそういう視点もあるわなあ。
振袖いちま 須藤真澄 [初出]1990年 『月刊MOE』11月号、91年〜92年『コミック・モエ』、92年〜95年『コミック Fantasy』No.14、単行本書き下ろし
オーバーマンキングゲイナー 原作:富野由悠季 作画:中村嘉宏都 [初出]2002年 『コミックフラッパー』6月号〜
BOOM TOWN 内田美奈子 [初出]1992年 『コミックガンマ』 冬〜96年
ホフマン物語 水野英子 [初出]1976年 『月刊セブンティーン』7、8月号
お人形を描いた漫画はたくさんあれど、70年代後期の水野英子の画風で描く人形はあまりに美しく冷たく幻想的。コマ割りをとりはらった画面いっぱいのパノラマな演出に、豪奢なドレスの裾を翻して踊る人形オリンピア。その美に人形と知らずに恋に落ちる主人公ホフマンととともに思わず見入ってしまう。今まであまり関連づけて考えたことがなかったけれど、同年に始まったバレエ漫画『SWAN』の華麗さと並べて語られるべきかも?
天使みたい 山下和美 [初出]1999年 『ヤングユー』9月号〜10月号 *書影は所収本
「はるか」の双子の姉妹「かなた」はスイッチを切るとただの人形になってしまう。ホンモノのかなたは死んでるのに、IQ高すぎる両親にロボットの姉妹を与えられてしまった生きているはるかの思いは複雑だ。複雑すぎてはるかは思いを外に出さない子になってしまった。でも、自分の体と記憶をなぞっているはずの「かなた」は違う。双子テーマにつきものの姉妹への愛情と自己確立の葛藤、それに親の問題や、ロボットのかなたの「思い」も重なった切なくてきれいなお話です。