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 日々の折々、図書の家研究員がおすすめ漫画をナビゲート。今回は「兄弟姉妹」をテーマにセレクトしてみました。
 身近な共感からシリアスなドラマまで、血が繋がっているからこそ生まれるストーリーは、古今東西傑作揃い!
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小夜の縫うゆかた
萩尾望都

[初出]1971年
『週刊少女コミック』夏の増刊



 浴衣を縫いながらしんみり亡き母に語りかけてる妹……の周りで美人高校生を望遠鏡で見ようとドタバタやってるお調子ものの兄。だがヤツは実は妹思いの頼れる兄貴だってことが、あぶり出しのように浮かんでくる。典型的なニッポンの兄妹の図ですねー。作者が実姉の名前を主人公に使ったことは有名ですが、なにか特別な意図があったのかしらん、なんて勘繰りもしてしまふ。

メリーベルと銀のばら
(ポーの一族)

萩尾望都

[初出]1973年
『別冊少女コミック』1〜3月号




 萩尾で兄妹といえば「ポー」のエドガーとメリーベル。森に捨てられた二人。エドガーが幼少時から保護者の立場だったのが、とても切ない。加えてもうひとつの関係も用意されて、その視点からも読み応え充分。ところで“銀のばら”は某オペラで“婚約のしるし”のモティーフ。タイトルをメリーベルに求婚する騎士たちのエピソードと読みとるのも趣深いです。


赤ちゃんと僕
羅川真里茂

[初出]1991年
『花とゆめ』11号〜97年14号



 最初はね、お母さんの居ない子供が小さい弟の面倒を見なくちゃいけない。その理不尽でどうしようもない苦しい展開にどうしようかと思うくらいしんどかったのですよ。でもね、いつの間にかその境遇はカワイソウなアイテムではなくなって、彼等の個性となって物語を回しはじめます。凄く幸せでたのしそうなの、あんな父とお兄ちゃんが欲しいなぁ。

CIPHER-サイファ-
成田美名子

[初出]1985年
『LaLa』2月号〜90年12月号




 当時、下敷きにカラーページを挟んでおりました。毎月楽しみにして何度も読み返し、二人にドキドキしました。MTVを観て洋楽を聞き、アメリカっていいなぁと漠然と憧れていた10代のころです。XX年経ってミーハー抜きで読み返すことで彼等の想いがやっと胸にまで届いた気がしました。いろいろなものが詰まっていたのだなぁ〜。ツインタワーが切ないです。


ファミリー!
渡辺多恵子

[初出]1981年
『別冊少女コミック』7月号、81年9月号〜85年9月号



 兄弟姉妹ものというより「家族もの」なのであるが。渡辺作品なら『はじめちゃんが一番!』や『聖14☆グラフィティ』等、よっぽどそっちのが正真正銘兄弟姉妹ものなのだがしかし。主人公の兄ケイと妹トレーシーがとにかく良いので敢えてこれに。粒ぞろいのエピソードが並ぶこの作品だけど、とりわけこの2人がメインの話はどれもしみじみ素晴らしい傑作。番外編でいいから、成長後の話が読んでみたいなあコレ。

林檎でダイエット
佐々木倫子

[初出]1985年
『エポ』July号〜87年まで連作




 『動物のお医者さん』でのブレイク以前の作品は、ほとんど取りざたされることのない佐々木倫子だけど、この美人姉妹シリーズもスパイシリーズももっと日の目を見ていいのではないかと思う面白さ! 確かに地味ではあるが、揺るぎない佐々木節はこのときからすでに完成の域です。既に変色したコミックスの折り返しに「シリーズ第一弾!」と書いてある以上は、いつか続きが読めるはずと、ええ未だに信じて待っていますとも。


ロンド・カプリチオーソ
−氷の旋律−

竹宮恵子

[初出]1973年
『週刊少女コミック』44〜74年13号



 敬愛する父の関心を全て自分から奪っていった、弟の才能。愛しているのに憎んでしまう。自分の嫉妬心に悶々とする兄。執筆時はひどいスランプだったと作家ご本人が公言。解体した“大泉サロン”に色々と思い馳せてしまうのはともかくとして。回想冒頭での6才のニコルと14才のアルベルのペア・スケートは切なさと可愛さで胸ドキュンです。

アンダルシア恋歌(マドリガル)
「変奏曲」シリーズ

竹宮恵子
(原作:増山のりえ)


[初出]1976年
『プリンセス』8〜9月号




 王子様が私を迎えに来てくれた! 実は私はセレブの生まれだったのね…というオンナノコのドリーム全開の本作。レディを守る騎士を描かせたら天下 一品な竹宮恵子が描く、兄妹バージョンの金字塔。ふと気がつくとじっと私を見つめるお兄様…なぜ? なんて照れ照れな描写も物語に没入すれば問題無し!  残念なのはそれが期限付きだったこと。泣けます。


鋼の錬金術師
荒川弘

[初出]2001年
『月刊少年ガンガン』8月号〜連載中



 錬金術、賢者の石ってだけでもなんかグッ!とくるものがあるのだが、渋いおじさんやらかっこいいお姐さんやら軍服が似合う人たちがいっぱい出てきたり! 機械鎧にフンドシ?な外見の弟・アル(ごめん、、)が向こう見ずな兄・エドをいつも宥め支える図式がツボにくる。非常に重たくてしんどい部分もあるのに、二人の会話や彼らを支える周辺の女性達とのやりとりなど、抜きの部分が上手い。巻末おまけマンガもお得感倍増!のシリーズ。

ブルー・ムーン
森脇真末味

[初出]1986年
『プチフラワー』5月号〜88年5月号




 ともかく英一が色っぽい! 母親に存在を抹消された子供というのは心にどれだけの傷を負うのか。なんでもできて人を逸らさない兄は、その実とことん不安定で目が離せない。一見バカみたいに頼りにならなそうな弟が実は支える側。その相互依存関係が、切なくて切なくて。英一を溺愛する養父とその義弟もまた、歪な兄弟関係。母と子、兄と弟、親子関係が錯綜する重い物語も、どこか吹っ切れた軽妙さがとてもいいバランスなのだ。


花!花!ピーピー草…花!
大島弓子

[初出]1973年
『週刊マーガレット』20号
*書影は選集セットケース入



 大島さんの漫画に親のいない大人数の兄弟が出て来たら中に一人は血の繋がってない子が混ざってたりする。そういうのの典型的一作かなと思う。実は資産家の遺児だとか、秘められた恋心だとか、女装する美少年だとか、幼すぎる性の知識とか、とにかくみんな入ってる! タイトルがまた大島さんならではのユニークさ。タイトルの意味がわかった時あまりの単純さに感動したものです。

春夏秋冬
文月今日子

[初出]1978年
『別冊少女フレンド』3月号
*書影は所収本




 親のいない大兄弟が出てきたら中に一人は血の繋がらない子が混ざってたりする……法則、がここにも! クールでハンサムでシビアな兄貴達と虐げられてるもらいっ子の弟クンとの戦いは、笑いあり涙ありでとにかく楽しい。絡んでくる女の子達もクセありすぎで可笑しい。ページ数えてこんな短かったっけって驚いた。三倍に伸ばして読みたいくらいの濃さがある。


作品紹介を担当するのは
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ

●書影はamazonアソシエイトプログラムbk1ブリーダープログラムを参照、または、所蔵本を撮影しています。

 
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