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 日々の折々、図書の家研究員がおすすめ漫画をナビゲート。今回のテーマは「原作つき漫画」。
 古典のリメイクや原作者と作画のコラボレーション、漫画ならではの表現を楽しむにも最適!
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恐るべき子どもたち
萩尾望都
(原作:コクトー)


[初出]1979年
『月刊セブンティーン』5〜8月号



 ポールとエリザベートの気まぐれな言動も彼らの棲息場所の様子も(子供の宝物箱のような部屋でシーツにくるまってだらだらすごす感覚も)ちゃんと見せてもらえて、こんな話だったんだ?って驚いたり。ついにポールとエリザベートは大人になれなかったのね、哀しいラスト。で、ジェラールってけっこうずるかったんだなぁ。

百億の昼と千億の夜
萩尾望都
(原作:光瀬龍)


[初出]1977年
『週刊少年チャンピオン』34号〜1978年2号




 萩尾望都が『がきデカ』の隣でSF連載!?──すでに竹宮恵子が『地球へ…』を某誌に連載、大ヒット。“少女漫画家も本格SF”な時代感ではあったけど。でも“人間のやることじゃない”って言ってたじゃないですか週刊連載。それも少年誌それも○品なチャンピオン!? …という余計な心配全て杞憂! 無茶苦茶カッコよかったんだよね、あしゅらおう〜。


ビーストテイル
坂田靖子
(原作:グリム童話 他)


[初出]1989年
『コミックトム』1月号〜90年8月号



「お后はオーガーでした」で始まるのは「眠り姫」のその後。読んだ時はオーガーそのものが創作?と思ったらペロー童話の中に、王子の母親が人食いだったという話がちゃんとあるのだ。それにしても坂田版のオーガーは人食いなのにどこか憎めずカワイイ! カエルの王子の呪いを解く王女、賢いハンスル、けなげなグレトル…うう、愛しい!! 坂田さんならではの心地よい後味を残す作品集。

東亰異聞(とうけいいぶん)
梶原にき
(原作:小野不由美)


[初出]2001年
『月刊コミックバーズ』10月号〜03年8月号




 ともかく絵が好み! 華やかさを抑え気味にしたタッチは明治初期の日本の、まだまだ闇が深い様子をよく伝えてくる。漫画を読んだ後に原作を読んだら、作品世界をいかに上手く画に消化されているか実感した。相続を争う二人の鷹司、その末の弟、美形なんだこれが。物語の狂言回しにはなってしまうが、記者の風貌も全てイメージに合う。最後のカタストロフィも素晴らしい!!


ロジオン ロマーヌイチ
ラスコーリニコフ
-罪と罰より-

大島弓子
(原作:ドストエフスキー)


[初出]1974年
『別冊少女コミック』1〜3月号



 いわゆる〈24年組〉が大活躍した74年別コミ掲載。名作文学の漫画化だがもはや大島オリジナルと言っても良し。特筆は超美形初老男子のスヴィドリガイロフ。こんな造形が「罪と罰」に!?って、即チェックしたけど違った(ガクリ)という記憶も鮮明。罪を裁くのではなく背徳を賛美するかに血の十字架を掲げる彼の姿絵は、正に70年代大島弓子!

陰陽師
岡野玲子
(原作:夢枕獏)


[初出]1993年
『コミックバーガー』 7月号〜96年4月号、『コミックバーズ』 7月号〜99年5月号、『メロディ』99年8月号〜2005年7月号




 94年の単行本1巻発売時、百鬼夜行の描写の凄さに大感激。夢枕原作も読み、岡野の忠実かつ楽しい翻案(博雅のまん丸眼とか)の妙を楽しむ。2000年 NHK-BS『BSマンガ夜話』では萩尾望都の絶賛に快哉。そして昨年の完結。賛否両論はネットに溢れるが第8巻の雨乞いの旅までは必読、その後は自分で判断を。私は大好きだけどね。


ジョーカー・シリーズ
道原かつみ
(原作:麻城ゆう)


[初出]1986年
『ウィングス』3・4月号〜1993年4月号
『Wings』1996年8月号〜2004年4月号



 最初はリィンと会う度に性別の変わるジョーカーとの掛け合いだったり、イチャイチャだったりが楽しくて読んでいたのですが、どんどん物語が核心へ迫り、の二人の幸せだった空気も変わってきます。最終巻を長く待たされましたが納得のいく最後にファンとしても満足、でも寂しい;; そんな時は麻城先生の外伝小説で寂しさを癒すのです〜どこかでまた2人に会いたいと思える一本です。

銀河英雄伝説
道原かつみ
(原作:田中芳樹)


[初出]
『少年キャプテン』(徳間書店)掲載号調査中(途中掲載誌変更)
1994年『Chara』 vol.1〜98年12月号




 80年代後半、オタクなお兄さんお姉さんの間で一代ブームとなった作品。かくいう私もぐるぐるするくらいダイスキでした。たくさんの登場人物それぞれに人生が有り、それぞれに感情移入してしまいます。漫画は小説の2巻分(デュアル文庫では4巻)。道原漫画は文句なく素晴らしく、あのシーンもあのシーンも見てみたかった〜 あなたは帝国派? 同盟派?


月館の殺人
佐々木倫子
(原作:綾辻行人)


[初出]2005年
『月刊IKKI』2月号〜2006年6月号



 綾辻行人の本格ミステリー?を佐々木倫子で?とそのあまりに意外なカップリングに驚くも、読後は「かなり凄惨な殺人事件を描こうが揺るぎない佐々木倫子っぷり」のほうに驚き。そのぶん本格ミステリーたるトリックの壮大さは薄味になってしまった感もあるが、鉄道オタクの招待客の描写等、マニアなところへつっこめばつっこむほど面白い佐々木節は超堪能! これ、今後も各界の雄とカップリングシリーズとして続いたりして欲しい!

アンジェリーク
由羅カイリ
(ゲーム『アンジェリーク』)


[初出]1996年
『ファンタジーDX』1月号〜
『ASUKA』2003年5月号




 ゲームを元にした漫画、いわゆるメディアミックス作品の本作。本来漫画家ではない、キャラクターデザイン担当の人気イラストレーター由羅カイリが漫画化し、荒唐無稽とも言えるこのゲーム設定を見事に「物語」としてまとめあげた。ゲーム未プレイの人にも十分楽しめる作品に仕上げた腕前はかなりのものと高評価なのだが、今はまた本業のみの活動のもよう。少女漫画界活性化のためにも、またぜひ漫画を描いていただきたい!


白き森の地に
文月今日子
(原作:ルイ・エモン)


[初出]1977年
『別冊少女フレンド 』3月号
*写真は所収本KCF『銀杏物語』



 NHK「大草原の小さな家」のおかげで北米大陸開拓地の厳しい生活についてちょこっと知識があった頃。快活な人々、美しい森、泣けるストーリー。こんな文月チックな物語があるなんて!と初耳な原作捜し求めて読んだらまぁびっくり。原作は原作でじわわぁ〜と感動するけど、これがこうなるとは! キョロコ先生の脳内変換にも感動しました。

十二夜
森川久美
(原作:ウィリアム・シェークスピア)


[初出]1978年
『ララ』1月号




 1601年の観客はこのラブコメディーに笑い転げたりほろりとしたりしたことでしょう。しかし時代と文化の遠〜く離れた現代日本の学生さんが活字の古典喜劇を読んでもどこでどう反応すればいいのやら、戸惑うばかり。苦行になったかもしれない英文学読解を楽しみに変えてくれた恩義ある作品です。森川先生ありがとう!


作品紹介を担当するのは
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ

●書影はamazonアソシエイトプログラムbk1ブリーダープログラムを参照、または、所蔵本を撮影しています。

 
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