HOME萩尾望都研究室少女漫画研究室展示室BBS中庭
サイト内検索 AND OR
img
日々の折々、図書の家研究員がおすすめ漫画をナビゲート。今回は萩尾望都作品から「海」をテーマにセレクトしてみました。
海の底に眠る真珠のような、珠玉の傑作たち。うだるような暑さを忘れさせてくれる清涼のひとときを、いかがですか。
過去INDEX] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29

作家INDEX] dataアイコンをクリックすると作品の詳細データがわかります。



耳をかたむけて(メッシュ)
萩尾望都

[初出]1982年
『プチフラワー』3月号、5月号



 酔っぱらって海辺へ行くのはよしましょう。というお話(嘘)。いつも安定した存在感でどっしりメッシュのフォローに回るはずのミロン氏がメッシュにフォローされるという珍しき回でもあります。海が効果的に使われており、荒れ狂う海は圧巻。腐女子としては遭難後の二人に☆3つです。

海のアリア
萩尾望都

[初出]1989年
「ASUKA』8月号〜91年5月号




 シリアスに始まったかと思ったら海と音楽を背景にハチャメチャな萩尾ワールドが展開☆ダイスキダイスキなお話です〜。1巻のあおりは「マリーン・ロマンシア」気がつけば「異色SF」。嵐の海で始まったお話は穏やかな海で終わるのです。いつ荒れるかわかんないケド…。


霧笛
原作:レイ・ブラッドベリ
萩尾望都


[初出]1977年
「週刊マーガレット』9号
*書影はブラッドベリシリーズ



 海の底に何万年も眠る竜が静かに静かに海面を上がってくる、霧笛に呼ばれて。それを語るマックダンの表情が絶妙です。彼が竜に重ねて語る思いは誰に向かっているのだろう、ジョニーのこのラストの切ない表情は?などちょっと勘ぐって読むのもまた一興。

あぶない壇ノ浦(あぶない丘の家)
萩尾望都

[初出]1993年
「ASUKA増刊ファンタジーDX』春の号、夏の号、冬の号




 アズ兄ちゃんとマヒコのおかしな関係は1巻で読むものとして、2巻は義経と頼朝という歴史上の人物の心理を深く分析しつつも分かりやすく、コミカルでもある。壇ノ浦の合戦の海の描写、勝利に涙する義経が美しい。あまり歴史に興味がなくても、これを読むと鎌倉幕府の知識が整理されて入ってくるというお得な1冊!


バルバラ異界
萩尾望都
[初出]2002年
『月刊フラワーズ』9月号〜05年8月号



 萩尾望都に「海」数あれど、最新SF『バルバラ異界』の「火星の海」ほど宇宙規模&壮大な描写は比べるもの無し。何億年も前、火星には海があり、生命体も存在した…。火星の遠い記憶を持つ青羽の見せる夢の中、透明で奥深い火星の深海に身を漂わせるキリヤと青羽。3巻10ページの情景の美しさは絶品、必見!!

デクノボウ
萩尾望都

[初出]1983年
『別冊ララ』オータム号




 漫画家のネーム集中時の逸話満載の本作で、萩尾は「集中するというのは海にどんどん潜水していく状態に似てます」と語る。少年が海に潜るたった1ページの絵は「(萩尾の)海=集中力」とすぐ連想されるほど印象的。萩尾作品を読む快感は、その集中の海を作者と共に泳ぎ、次々と宝石のようなエピソードを発見することにあるのかも。


残酷な神が支配する
萩尾望都
[初出]1992年
『プチフラワー』7月号〜2001年7月号



 イアンの計画した夏休み自転車旅行に参加したジェルミ、ナディア、マージョリー。それぞれ思惑ありすぎ、感情の起伏も激しい毎日で大変な旅なんだけど、私はイギリスのお城見たい古い町や村行きた〜い!という暢気さで一部実行しちゃった結果はココ。8月とはいえイギリスの海はギラギラしてなくて空は雲が多く、昼間楽しそうに見えて毎夜苦悩する彼らの旅行にぴったりでした。

6月の声
萩尾望都

[初出]1972年
『別冊少女コミック』6月号




 永久の別れが迫る6月の休日、エディリーヌとルセルは岬へピクニックに行く。眼下に海の見える野原に寝そべって歌うように季節の美しさを語るエディリーヌ。切ないばかりのルセル。かすかな波の音、遠くを走る馬のいななき、草の匂い……初夏の海風が画面から吹いてくるのを読むたびに感じる名シーン!


訪問者
萩尾望都
[初出]1980年
『プチフラワー』春の号



 『訪問者』に出てくる海は、盛夏のわくわくするよな海じゃ全然ないのですが。それでも萩尾作品で海、ときたときすぐ浮かんだのがこの「凍った海」だったのでセレクト。しかし言ってしまえばもうこの作品に関しては、TPOなど選り好む必要なし、大傑作必読! 未読のひとなんかいたら今すぐ読んでください、今すぐです猶予無し!!

マリーン
萩尾望都

[初出]1977年
『月刊セブンティーン』5月号




 萩尾作品にはそれこそ繰り返し出てくる「繰り返し」がモチーフの物語のひとつ。この、綺麗できらきら眩しい、でもどこか遠く儚い感じの海は、今時期よりも夏の終わり頃に胸にキュンとくるかもしれません。あと思うにこういうセンチメンタリズムは意外と女性より男性にグッとくるのでは。ドラマとかになりそうな感じで。


作品紹介を担当するのは
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ

●書影はamazonアソシエイトプログラムbk1ブリーダープログラムを参照、または、所蔵本を撮影しています。

◎掲載の文章、資料及び図像についての複写および転載はご遠慮ください。 ご意見・ご感想はBBS 図書の中庭まで[少女漫画ラボラトリー【図書の家】
(C)1999-2009 K-eyes/toshonoie All rights reserved.