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 日々の折々、図書の家研究員がおすすめ漫画をナビゲート。今回は「寄宿舎」をテーマにセレクトしてみました。
 実生活でなかなか体験できないからこそ、覗いてみたい憧れの寄宿舎ライフ。あなたなら、どの寮へ入ってみたい?
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トーマの心臓
萩尾望都

[初出]1974年
『週刊少女コミック』19号〜52号



 ドイツのギムナジウムってこういう所。って日本の女子に決定的に刷込んだのはこの作品だと言っても過言じゃないでしょう。寄宿舎では少年同士でドキドキすることや、口に出来ないヤバそうなことをしてるらしい……と騒ぐ心を隠して「ドイツの高校はギムナジウムといって全寮制で勉強や規則が厳しいらし〜わ。」って親に説明してたような気がする……よ。

11月のギムナジウム
萩尾望都

[初出]1971年
『別冊少女コミック』11月号




 「小鳥の巣」最終話と再掲載「11月」を古雑誌で読んだのは中1の冬。舞台は同じく「ギムナジウム」。どうしてこの人の話って男子ばっかりなの? どうして男子が男子を見て「あの子はきれいだな…」とかつぶやくの? ドイツにはこんな寄宿舎がホントにあるの? 幸せな時代で情報が少ない。妄想ふくらむ一方、寝ても覚めても萩尾&少年。全ての始まりはこの作品から。


花のO-ENステップ
秋里和国

[初出]1982年
『週刊少女コミック』22号〜84年までシリーズ



 男子寮と女子寮があるという設定であれば、やはりキモは「夜這い」ですよ! 夜中、夜間外出禁止令を破って女子寮の窓に花束抱えて現れる彼、ってシチュエーションはやはり萌えどころでありましょう。寮制ってだけで非日常、さらに自由な校風で毎日がてんやわんやの大騒ぎ、かっこいい男もてんこもりの陽成高校は何もかもが楽しそうで、当時も今も「通ってみたい学校・ココロのベスト10」ランクイン揺るぎなし。

摩利と新吾
木原敏江

[初出]1977年
『LaLa』3月号〜84年2月号までシリーズ連作連作




 日本版ギムナジウム漫画の決定版。よく学びよく遊び、命短し恋せよ少年(と言えない歳の人もいるけども)。夜通し騒いで熱く夢語り、夜間出奔・隠れ酒など当たり前。ストームは永遠の憧れであります!いいよなあ〜〜…。こういう自由すぎる校風とか快闊豪放な雰囲気というのは外国の寄宿舎モノにはあんまり登場しないように思うのですが、このユルさは日本ならではのものなんでしょうか。


風と木の詩
竹宮恵子

[初出]1976年
『週刊少女コミック』10号〜1980年21号、『プチフラワー』1981年冬の号〜1984年6月号



 涙涙(T-T) 久しぶりに再読したらはじめっから最後まで涙でした〜、さて、皆様はセルジュ派ジルベール派? 高校生の時分に寄宿舎と言われても想像力も知識も貧困な私めがこれで外国の寄宿舎とやらにあらぬ妄想を抱いたのは言うまでもございませぬ。広大な敷地に元お城の学校、温室、沼地に草原、小高い丘と森。階段を駆け上がる子供達の声。秘められたほにゃらら…ちなみに私はジルベール派。

みき&ユーティ
成田美名子

[初出]1982年
『LaLa』9月号〜1979年5月号




 成田美名子の初期作品です。エイリアン以降の一貫した雰囲気とは異なりますが、確かにここに原点が見えます。寄宿ものだと外国舞台と思いがちですが、そこを和洋の混ざった街函館を舞台に、文句のつけどころのない生徒会長ユーティのコンプレックスや悩みを中心ににぎやかで楽しい高校生活が描かれています。友情とか青春とかそういうものがいっぱいに詰まったキラキラした一品となっております 。


めぞん一刻
高橋留美子

[初出]1980年
『ビッグコミックスピリッツ』11月号〜87年4月20日号



 私も学生の時、寮のようなぼろっちぃアパートに住んでいた。そのボロさといい、変人どもが夜な夜な一室に集っては騒ぐ雰囲気といい、まさに「めぞん一刻」。人間関係が希薄になりがちな現代にあって、他にない濃密なつながりが生まれた場所。語ること、騒ぐこと、好きなこと、愛するということ…。いつでも一人ではなかった、寂しい時も哀しい時も近くにいた住人達。この作品を読むといつでも帰りたくなる、懐かしいあの時間に…。

どいつもこいつも
−花の自衛隊グラフィティ−

雁須磨子

[初出]1998年
『メロディ』6月号〜2001年5月号




 陸上自衛隊のお話ということで、さぞや特殊な世界と思いきや、ほのぼのした恋愛未満やら、色っぽい先輩が主人公・朱野にむけるちょっとアブナイ視線やら、調子のはずれた人たちがおこす話満載。寮生活も規則に縛られ窮屈で大変な生活、ということでもなく、不自由がありながらも、夜中に一部屋に集まってコスプレして遊んでみたり。独特のおとぼけ路線が、へたうまで個性的な絵と相俟って魅力的。だらけたい時に読みたいシリーズ。


コダマの谷
-王立大学騒乱劇-

入江亜季

[初出]2002年2月〜2003年11月に個人出版物として発表



 大学の敷地には、寮はもちろん、登録制の図書館、生活や学業に必要な各商店及び公衆浴場、郵便局、更には古本屋街まで! そして夕暮れ時には塔の鐘がカーンカーンと「斜めの描き文字」で鳴るのです。私もここの学生寮で一心不乱に勉学(?)に励みながら一人部屋暮らしを満喫したいよ〜。70年代初期や『トーマの心臓』など懐かしの“24年組”的匂いに敏感な年寄りは、物語以外に色んな部分が楽しめます。これっぽい話、また描いてほしいなあ。

つぐみの森
大島弓子

[初出]1973年
『別冊少女コミック』3月号
*書影は大島弓子選集 1期セットケース入




 シーツを被って女装した主人公は、憧れの上級生ビナスにラブレターを渡すために男子禁制の女子寮に潜入する。通された彼女の部屋…そこに見るのはなんというレース! なんというロマン! …こんな花柄な一人部屋っていったい? というイメージなんだけれども、もちろん大島弓子だから全く納得するのです! ああこんな部屋で一心不乱に勉学に…(以下左記と同文)。そのように寄宿舎とは、タタミの部屋の私たちに夢を見せる装置でした。


坂道のぼれ!
高橋亮子

[初出]1977年
『週刊少女コミック』18号〜78年14・15号



 2段ベッド×2、勉強机×4のけっこう殺風景な4人部屋。憧れの余地なし現実的な寮生活。でも自宅にも居場所がなくて逃げてきた亜砂子にとってラッキーなことに、同室になったそれぞれ性格の違う少女達は心が素直で。ちゃんとケンカして仲直りを繰り返して深い友情を築けたのもやっぱり寝食共にしてるからこそ、よね。

ひみつの階段
紺野キタ

[初出]1995年
『コミックFantasy』No.12〜98年No.26号




 とにかくひたすら嬉し楽しのオンナノコだけの寄宿舎生活! 校舎も寄宿舎も古〜い木造の洋館。数十年分の記憶が染み付いてて、過去と現在と未来がクロスオーバー。しばしば起こる不思議現象。そんな「校舎の見る夢」と少女達の「夢」が混ざり合う「永遠の青春の国(ティル・ナ・ノーグ)」。まさに憧れの寄宿舎生活in日本!!(少女漫画文法苦手な人には難しいかも?)

作品紹介を担当するのは
 卯月もよ  小西優里  天野章生  岸田志野  城野ふさみ

●書影はamazonアソシエイトプログラムbk1ブリーダープログラムを参照、または、所蔵本を撮影しています。

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